KAC20244「ささくれチャンピオン」にイラッ。「ブレイクダンス」のカテで勝て!

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 「ささくれチャンピオン」が、ダンスの世界チャンピオンを目指してチャットG PT様に審査される日。こういうの、いやだな。

 「お前は、ささくれチャンピオン」

まさか、近所に住む婆さんに言われるとは。

「あんたは、心が踊っておらんな。八つ当たり生活で、心がささくれておる」

う…。

「あたしは、踊る神じゃ」

そうか。

ならば、仕方あるまい。

「神様、俺を弟子にしてください!」

踊るといえば、ブレイキン(ブレイク)ダンス!

2024年のパリオリンピックからはじまる、注目の競技。

 …って、もうすぐだ。

 それは、4つの要素をもつ、アメリカが起源のスポーツ。

 「トップロック」

 基本要素。

 ダンス全体の序盤に組み込まれることが多い。

立ちながら踏む、ステップだ。

 「フットワーク」

 手を地面につき、足を交差する技。

「パワームーブ」

 肩、頭や背中など、全身の回転技。

跳んだりはねたり。

海老フライではない。

怒られるぞ。

もう1つは…。

とにかく、プレイヤーは、DJが流す即興ミュージックに合わせ1分くらい踊る。

 オリンピックは、1対1で交互に踊る個人戦。

審査員がポイントを付け、勝敗が決まる。

そんなこんなで、オリンピック予選の大会。

 「あ!」

審査員席にチャットGPTがいて、なぜか命令してきた。

「オドレ」

フロアは、燃えるように熱い。

「ぎゃー!」

 「オドレ!」

 ドSだな。

「熱いよ!」

 「イイゾ、コセイテキ!」

 「ぎゃああ!」

 「ポイント、アップ!」

 「ぐあああ…!」

 体中から、血。

「コセイテキ」といえば、あのひどいフレーズが思い浮かぶ。

「ナンバーワンにならなくてもいい。もっと特別な、オンリーワン!」

 ひどい。

 ひどい教育だよな。

血が飛び、踊りの動きが止まった。

 このダンスの4つ目の要素は、「フリーズ」。

激しく動く「コセイテキ」な心臓まで、止められていった。

「…ぐああ…あ」

気付けば、爪のまわりの皮膚の皮が、めくれていた。

踊りすぎて、指が「ささくれ」をおこしたのか。

すると…?

「終わった、終わった」

あの婆さんが、チャットGPTの中から出てきた。

 こら。

神様だって、ささくれチャンピオンじゃないか。







 

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