#2 能力

さぁて、裏切ったわけだけど何をするか…。

「ちょ!待ちなさいよ!アンタねぇ、裏切るとかそれでも友達!?」


友達?


「ねえ、僕と君はいつ友達になったの?散々無視してきた奴にいきなり友達とか言われても受け入れるとか無理だよ?」

相手は自分が強いと思ってる。正義だと思ってる。


正義は必ず勝つと夢見てる幼稚な人。


「いいわ、絶対に私に服従させてあげるわよ!」


楽しそうな人生送ってるんだね。


「そっか。君は女王様だもんね。なら僕は革命軍。


_______物体生成。」


カッターを作り、彼女の首筋に当てる。


「どうする?少しでも動いたら殺す。」


彼女は歯を食いしばると


「私の能力は愛されると強くなる能力。だから直ぐにでも振り解けるわ!」


威勢のいいことで。でも、動いたね。


「さようなら。」


カッターで喉を掻き切った。


教室が騒めいているようだ。


「巫女サイテー!」

「それな。」

「絶対許さない!」


別にいいよ。君たちの許しなんていらない。

自由になれるなら、それでいい。


寮の部屋に戻るか。


あそこが拠点…少し狭いか。

物体生成に強いオリキャラを出して拠点作ってもらおう



「召喚・ノエル」


金髪で糸目の男性とも女性とも形容し難い美しい顔の“天使”が召喚された。


「ノエルさん、早速働いてもらうよ。」


「えぇ?状況説明してください。わかんないですよ?いきなりそんな事言われても」


僕は能力や置かれた状況を一通り説明した。


「つまり、私が存在している世界は巫女さんが作ったと…。」


「そういうこと。」


「まあ大方理解できました。どうせ貴方家事できないでしょう?私が家事全般こなすので貴方はクラスメイト撃退よろしくおねがいします。」


流石ノエルさん。呑み込みが早い。さすが僕のオリキャラトップ3の強さだ。


「ん。じゃあさ、かっこいい服作ってよ。ノエルさんって魔力を使った物体生成得意だよね。」


僕の作った物語の能力の設定は、魔力で「異能」と呼ばれる能力を使うことができて、ノエルさんの能力は"反射"。


そして、魔力を使って魔力の塊を飛ばす攻撃や物体生成をすることができる、というルールもある。ノエルさんは敵から攻撃されないと戦えないという弱点を克服するために物体生成を磨いてきた。


「出来ました。こんな感じでよろしいですか?」


白いワイシャツに黒い上着、コルセット付きのスカートっぽく広がった短パン。タイツとロングブーツ。かなり、いや、すごく素敵なデザインだ。


「ありがとね。」


久しぶりに、まだ完全ではないけど「本物の笑顔」が出せた気がした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

メリーバッドエンド 佐久山咲@てーふ @sakushakun

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ