メリーバッドエンド

佐久山咲@てーふ

#1 始まりのアナウンス

僕は榊巫女さかきみこ。私立北西中学の中学二年生。全寮制で生活は楽しい。いや、


一年生の夏休み明け、クラス全員から無視されるようになった。なんでかは、判らない。無視されているから聞き出すことなんてできないんだ。



でも、強いて言うなら原因は明里ちゃんかなって思う。小学校から何故かずっと一緒のクラスだけど話したことはないし関わったことはない。そのくせ彼女は僕の陰口を言ってきた。「巫女ちゃん漫画書いてるらしいよ。ダサくね?」って言って笑ってきたり、「巫女ちゃんってさぁ、レンくんのこといじめてたらしいよ?」とか根も葉もない噂話言ってきたり…。


虐めてるのはそっちなのに。


まあいいや。もう慣れた。最初はすごく嫌だったけど人間って麻痺するものだね。無視されてるからクラスの仕事もしなくていい。気楽で楽しいのはこっち。もう友達なんて要らない。



【今からデスゲームが始まります。皆さん、席についてください。】


アナウンスは胡散臭そうな10代半ばの声だった。デスゲーム?意味がわからない。嘘に決まってる。


【今から能力を配布します。「異能開示」で見てください。能力で魔物と戦い、勝ったものには自由を。負けたものには______________死を。】


冗談じゃない。魔物、能力…僕が今よりもっと中二病拗らせてた時にそんな設定の話書いてたな。


まあ一応見てみるか。


「異能開示」


[異能:雪月花 今まで作ったオリキャラの能力を使うor召喚することができる。また、その能力を組み合わせて新しい能力を作り、使うことも可能。]


最強だ。コピー、反射、干渉、未来予知、時間操作、回復、身体強化。


これに敵うものなんてそう居ないはず。


【今から魔物を放ちます。戦ってみてください。この魔物を倒すと一体に付き一ポイント。100ポイントで一人出ることができます。尚、出るか出ないかはあなた次第。クラスで集めても構いませんよ。その場合、人数✕90ポイントクラスで集めれば出れるので得ですね。ただし、強制的に退出させますが。】


「ええ!?どうする?明里。」

「知らないわよ!でも、クラスで集めたほうが良さそうね」


クラスメイトが騒いでる。明里の異能をオリキャラの異能で見るか。


[愛の証:愛されれば愛されるだけ強くなる]


明里に向いた能力だ。愛されている。…僕とは違う。

他のクラスメイトの能力も見たが、全員弱かった。水入りペットボトルを操るとか、石を一つ操るとか。


「ニンゲン、コロス…!コロス!コロス!」


異形の化物が入ってきた。ってみるか。


異能:冬氷柱


広範囲に氷柱を降らせる攻撃。

魔物は血を大量に流した後、消滅した。


「巫女ちゃんすごい!」


「一緒に戦おう!」


何いってんの?無視してきたよね?なんでそんなに軽々しく言えるの?ごめんの一つも言わないで保身のために今までのことを無かった事にする…呆れた。僕は裏切ることにするよ。










裏切るならもっと、もっと残酷なやり方で。


みんなに絶望を味あわせてあげる。

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