生涯書店~生きた証~

AUGA(オーガ)

第1話 あなたの生涯は何文字ですか?

生物は皆、生まれながらに死を背負っている。

それは抗えない真実


人が行き交う交差点、鳴り響く騒音

この町で毎日見ている光景

つまらない毎日


今日も私は、バイトに向かう。


自分は何者にもなれず

ただただ時間を削る日々

たまにあるのは?


楽観的な友達との、無意味な時間


溜息の仕方だけは少しづつ変わっていく


そんな毎日


突如私は、死んだ。


上空から血まみれな私と一人の男

あいつは?

一度関係を持ってしまった男

しつこさであしらっていた


赤く染まる地面、点灯する赤い光が

よりその現場を殺伐とさせた


上から見る自分にまた溜息


「白けた面してるねぇ!?」

甲高い小ばかにした声


見上げた頭上少し上、黒いスーツ姿の小綺麗なOL?

「誰?」

私が問う。


「申し遅れました。私 株式会社 黄泉YOMI の

レーテと申します。」


きょとんとする私。


「あれ聞こえなかったのかな?」

咳払い

「レーテと申します。」


「聞こえてるよ!」

「突っ込みどころが多すぎて困惑してんだよ!」


レーテ「無理もない。」

「普段はお迎えに、死神が参るのですが、なにせあなたの寿命はまだ

50年残っているんです。

今回のこの死は、冥界でも予想外で

パニックを起こしている状態何です。」


淡々と事情を説明する彼女の話を死んだ目で聞く私


「ですから、真琴様」

ここで初めて私の名前が挙がる


私の名前は、神成 真琴(しんじょう まこと)


真琴「あなたが来た理由はなに?」

事情ではなく結論を聞きたい私は説いた


レーテ「あなたはまだ現世で生きる必要があります。

生き返るためにうちで働きませんか?」


真琴「生きていたってつまんないし、、

そのままあの世のほうが都合がいいかもね、、、」


レーテ「あなたはある挫折から、悲観になられた

そこからなにもかもがおもしろないと感じだした。

違いますか?」


なぜ自分の過去を知っているか?

わからなかった

レーテが手にしている一冊の小さな本


レーテ「あなたの記録すべてがこの本に集約されています。

私たちの仕事は人の生きたことを文字にし

書籍として保管することなんです。


あなたはまだ物語の序章にも届いてない

さきがきしか文字になってません。

役1000文字です。


あなたの書籍は

あと20万文字は書けるようになっていたんです。


私はあなたの物語に興味がある。

だから、私たちと働きもう一度現世に戻りませんか?

あなたの一ファンとしての言葉です。」


私はこの時昔、抱いたときめきの様なものを思い出していた


なんでなんだろう?

あの時諦めたんだろう?

無感情の表情に雫が一つ、二つ


小首をかしげ、承諾した私は

彼女とともに、冥界に行くことにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

生涯書店~生きた証~ AUGA(オーガ) @AUGA

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ