メカ設定集
割とゆるい作風の本編では明かされなかった、メカ関係の設定集。要するに男の子はみんな大好きなアレです。
重大なネタバレの塊なので、本編を読んでいない方はブラウザバックを推奨します。
◎ゼクト・オメガ
・全高 18メートル
・主動力 縮退炉
・副動力 核融合炉
・詳細
地球奪還或いは人類種の永久的保存を目的とするヨナ計画の為に、人類保全機関NOAHにより開発された汎用人型究極兵器。三百年前にNATOが運用していた汎用人型兵器ゼクトをベースに建造された。
補給や十全な整備を受けられない状況下での半永久的な運用を前提としており、縮退炉による無尽蔵のエネルギーとナノマシンによる自己修復機能を搭載されている。
戦闘力は凄まじく、縮退炉から得られる無尽蔵のエネルギーで放たれるビームライフルは最大出力で放てば気象にすら影響を及ぼしてしまう程。またバリアであるアブソルートテリトリーはエネルギーフィールドではなく縮退炉の重力波により発生した時空の歪みを利用し空間ごと攻撃を遮断するものであり、三次元上のあらゆる物理攻撃を受け付けない。
これだけの性能を有しながら実は機体を構成する殆どの部品は旧式のゼクトと同質のものであり、ゼクト・オメガという究極兵器としての機能は動力源とコクピット、ナノマシン管制用の演算ユニットを内包する胸部コアユニットに集約されている。この仕様と自己修復機能により、コアユニット以外の部品はほぼ全てが地球の廃墟で現地調達することができるようになっている。数百、数千年間の孤立無援での無補給運用という兵器としては規格外の運用を想定されているが故の仕様と言えるだろう。
ゼクト・オメガという名のオメガは、人類の最高到達点にして人類最後の兵器であれという願いを込められて与えられたものである。
◎ゼクト
・全高 18メートル
・主動力 水素電池
・詳細
三百年前の世界崩壊まで、NATOで運用されていた人型機動兵器。元々は宇宙開発用ロボットとして研究されていたものを軍事転用したもので、衛星軌道上を主とする宇宙空間での三次元機動による敵人工衛星の制圧を目的として開発された。
元々は宇宙用であるものの陸上でも運用可能な巨大人型機械の汎用性は地球上においても高く評価され、直接的な戦闘力こそ戦車や戦闘機などの既存兵器には劣るものの陣地の設営や救難活動に用いる自衛可能な重機としてPKOなどにおいても幅広く運用、様々なオプションも開発されていた。
しかし三百年前の天使戦争においては天使には手も足も出ず、殆どの機体が破壊されて天使により複製されたか、実戦に使われることなく地球に放置されている。一部の機体は月へと打ち上げられ、ゼクト・オメガ開発用のサンプルとなった。
ちなみに名前の意味はExpansion Combat Trooper ver.Z。意訳すると、拡張性を持つ戦闘騎兵の最終完成形。その頭文字を取り、Zを頭に持ってくることでZECTとなる。
◎イクシード・オメガ
・全高 57メートル
・主動力 双発式縮退炉
・副動力 核融合炉
・詳細
光里たち六人が永い時を地球で生きていく中で辿り着いた、ネバーランドに築かれた文明の結晶。オメガを超えた先に在るモノ。建造開始から完成までに数百年もの年月を要している。その中で思いついた機能を尽く実装した結果、機体性能は設計当初の3000%にも達した。
ゼクト・オメガを胸部と頭部のみに分解しコアユニットとして内蔵する構成で、日常生活の道具として用いる際はゼクト・オメガに戻すことも容易。そういった点ではゼクト・オメガの追加装備と解釈することもできる。とはいえこれそのものにも少女たちが新造した縮退炉が搭載されており、ゼクト・オメガに匹敵するかそれ以上の超テクノロジーの産物であることには変わりない。
武装としては超重力砲を標準装備。ビームライフルもメガビームランチャーとなり、威力も増大している。また特異点を二つ内蔵したことにより強力な時空制御装置を搭載することが可能となり、限定的ながら物理法則すら捻じ曲げることができるようになった。応用により、相対性理論では不可能とされた光速を超えることすらも容易に可能。カバー可能な戦闘領域は2000光年にも及ぶと予測されている。
また特異点を利用した次元境界面の干渉も可能となっており、高次元空間への潜行や三次元からの観測、狙撃も可能。高次元空間潜行中はアブソルートテリトリーで機体を覆うことで自身の存在を三次元に固定し、形質を維持する必要がある。
欠点はあまりにも強力であるが故に地球上では出力上限が10%というリミッターをかけられていること。しかし基本的には次元境界面の潜行により高次元空間で天使に先制攻撃を仕掛ける運用を前提としている他、それでも尚性能はゼクト・オメガを上回る為大きな支障はない。
◎ラグナロック
・全長 約1500メートル
・動力 核融合炉
・詳細
ノア計画による地球脱出の中、地球に残った人類が総力を挙げて建造した超巨大空母。ある程度の潜水機能を有し、建造は日本の地下で行われた。
動力源に核融合炉が使用されているが、これは元々米軍で研究、開発されていた物の試作品。最重要軍事機密として厳重に管理されていたが、アメリカ合衆国の崩壊に伴い人類の希望として国外に持ち出された物を使用している。
弾道ミサイルをも無力化する電磁バリア、当時としては最先端のレールガンや荷電粒子砲、そして核弾頭も使用可能な弾道ミサイルなども搭載し、当時としては規格外の超兵器となっている。本来であれば国家間の軍事バランスを崩壊させる程の兵器だが、当時の人類には天使と勝利した後の戦争を考える余裕などなく、問題となることはなかった。
ソフトウェアの面で特徴的なのは、艦内システムが人類史の全ての言語に対応していること。これはこの艦を使用する未来の人類が、如何なる言語を使っていたとしてもこの艦を使えるようにする為。また同じ理由でこのレベルの兵器であるにもかかわらず、使用に関して一切のセキュリティが設定されていない。
伊丹空港跡基地から旅立った光里たちの新たな家となった後はおよそ千年もの間航海を続け、その中で多くの改修を重ねられた。エピローグ時点においては動力源に縮退炉を搭載され、アブソルートテリトリーも展開可能となっている。また甲板には畑が、内部には養鶏場も作られた。
★メカニック用語★
◎崩壊砲
光里のゼクト・オメガにのみ搭載された、対天使用の破壊兵器。縮退炉から得られる膨大なエネルギーを質量に転換し超重力場を形成、発生した形質が不安定な特異点を対象へ植え込むように発射する。
これを受けた物体は高次元方向へ引き延ばされながら零次元方向へ収縮され、存在レベルで構成が不安定化、崩壊してしまう。空間に作用するので一切の装甲が意味を成さない他、三次元上で存在が完結しない上位存在すら消滅させることができる。
◎アブソルートテリトリー
ゼクト・オメガに搭載された、縮退炉を利用したバリアシステム。通常は機体の表面を覆うように展開されるが、拡大も可能。エネルギー消費の差も縮退炉のエネルギーであれば微々たるもの。
電磁バリアのようなエネルギーフィールドではなく、内部を周囲の空間そのものから隔離してしまう。その内部は極小規模な一種の並行世界に近い状態となる。
その為あらゆる物理攻撃も、マグマの中や深海のような極限環境であっても全ての外的エネルギーを遮断しダメージをゼロに抑えることができる。時空に影響を及ぼすレベルの攻撃に対しては無敵と言えるほどの防御力は発揮できないが、それでも強力な軽減効果を得ることが可能。
イクシード・オメガに至るまでの過程で天使との実戦データなどを元に改良され、時空干渉への完全耐性も獲得し名実ともに無敵のバリアと化した。
余談ではあるが、アブソルートテリトリーは和訳すると絶対領域。メタ的な名前の由来はニーソックスから露出した太ももを表すスラング。女の子だけに存在する絶対領域である。
◎ナノマシン
光里たちの肉体に投与され、ゼクト・オメガにも搭載された極小の多機能マシン。目視には顕微鏡が必要なほどの小ささだが、制御システムをゼクト・オメガのコアユニットに搭載することで演算処理をクラウド方式にしてこのサイズでの多機能化を実現している。
宿主に不老の肉体を与えるが、その本質は宿主の身体情報や遺伝子の保存と、老化などにより劣化してゆく代謝機能の代替という二つの機能によって行われる永遠の現状維持。
本来の肉体の代謝機能が失われても尚保存された遺伝情報から宿主の若い健康な細胞を複製し、保存された「健康な状態」へと戻してしまう。
このナノマシンによる不老の本質は、年月が経つにつれて老いる前に体細胞をクローンに置き換えてしまうものであると言っていい。エピローグ時点では全員が気付いているが、特に気にしてはいない。
他にも身体能力の強化、病原体の処理、病気の治療、ゼクト・オメガとの無線神経接続、また無機物に対しての修復機能など様々な機能を有しており、光里たちの暮らしに大きく貢献している。
【完結】蒼い星へ還る日まで〜少女六人、終末世界で自由気ままなスローライフはじめました〜 スグリ @sugurin
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