虚炉木ミチルは働く

もなかまる

虚炉木ミチルは働く その一

僕は悩んでいた。

それはあいつ、秋也の事だ。

 秋也は地元じゃ有名な月島病院の院長を父に持つ奴だ。

 あいつには、姉弟がいて、春花という姉と夏希という兄、あとは冬美っていう妹がいたな。

 だが、姉弟全員が性格が終わってる。

だから、「オワコン姉弟」ってみんな呼んでるが、

流石に本人達の前でいうとヤバいので、本人達の前では「春夏秋冬」と呼んでる。

そういうと、本人達が気を良くするから。

 そんな姉弟の一人が秋也だ。

そして俺は、秋也のいじめのターゲットだ。

「お〜い、翔太〜、菓子パン買ってきたか?」

「うん...」

 そんなこんなで、秋也のところに来てしまった。

「それでさ〜翔太〜、本当に申し訳ないけどー」

僕は知っている、このあとの言葉が。

「翔太があんまり遅いから〜、俺もうそれの気分じゃないんだわw」

「...」

やっぱりだ。

秋也は元からこの菓子パンの気分じゃ無かったんだろう。

僕自身のお金で菓子パンを買わせて、その間に

取り巻き達と別の物を食べてたんだろう。

 まあ、僕が経験した行為で比較的マシな方だけど。

「てことで、これ捨てとくわw」

「えっ、いや僕が食べるけど...」

「何言ってるんだよwお前は貧乏野郎だから草しか食べないんだろwだから口に合わないだろwもし食べたとしても体に合わなくてゲロ吐くかもしれないぞwだからそんな心配をしたお前に感謝するんだなwww」

 そういって、秋也が菓子パンを捨てようとした瞬間...

「おやおや?折角色んな人達が努力して作った物を、捨てるなんて君は恩知らずだね」

「「!?」」

誰かが菓子パンをキャッチした。

「どうしたんだい?君達フリーズして

ゴキブリでもいたのかい?」

「ちげーよ!!お前に対して驚いてるんだよ!!」

「そうだったのか、それはすまないね」

 そこで僕はすこし冷静になった。

どうやらこの人は女性だ。

それに美人だ。

そして教師じゃない。

だって、こんなキレイな教師見た事ないから。

「そうそう思い出した、翔太帰るよ」

「え」

僕はまたフリーズした。

「おい、翔太!! こいつ誰だか言え!!」

「え、いや知らない人だけど...」

「嘘つくんじゃねーよ!!こいつお前の事呼んだぞ!!」

「いやでも...」

「ああ、またすまないね、私は翔太の姉でミチルという よろしくね 翔太の友達君」

「なんで、早く俺に言わないんだよ!!

あっ、ミチルさん はじめまして! 俺の名前は秋也と言います どうか以後よろしくお願いします!!」

「!?」

僕に姉なんていない。

一人っ子だから。

「さあ、それじゃあ帰ろうか」

「うわっ!!」

僕は、謎の女性に無理矢理、手を捕まれて

外に連れ出された。

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虚炉木ミチルは働く もなかまる @monakamaru

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