ある早朝、1×階のベランダに猫が現れた話
これは、カクヨムのブログを始める前に書いていたブログからの抜粋です。
ちょっと目を疑うような本当のお話。
(カクヨムブログの方で、いつか紹介しますと言っていたに出し忘れていたので、エッセイ集の方に追加してみます)
ブログからの抜粋なので、エッセイというほどでもないですがブログだと思って読んでいただけたら幸いです。
*
これは、2020年の5月のこと。
その日は、早朝から信じられないことで起こされました。
朝の4時半。
ベランダの方から、ゴトゴトと物音がうるさくて目が覚めました。
ずいぶんうるさいけど、風が強いなかなぁ?
それとも物置の扉をあけっぱなしだったのかな?? と、とりあえず開けっ放しでうるさいなら早く閉めて二度寝しようとガーデンを開けたら……。
夜明け近くで薄明るい中、ネコと目が合いました。
……。
…………。
……………………。
!!!???
――― ネ、ネコ!?(゚Д゚;)
ついに私のあたまこわれたか!?
ここ、マンションの上層階(1×階)だよっ!!
いるわけがないっ!!
見間違えかと思い、目をこすり二度見したのですが、やはりそこには茶トラ猫がいて、にゃぁにゃあと鳴いている。
なぜ猫がこんなところに??
あまりにも衝撃的な景色に、落ち着こうとカーテンを閉めたのですが、猫の方はと言えば家主と目が合ったことで、入れてもらえると思ったのかしきりににゃあにゃあと鳴いてくる。
午前4時。寝起きの私はパニックです。
マンションはオートロックだし、万が一非常階段から猫が侵入したとしても、わざわざこんな上の階までくるとは思えない。
いるはずのない猫がいて、一歩間違えば落ちて死んでしまうかもしれないところに猫がいて……。
(ど、どうすればいいのよぉぉ><、)
ここが、2.3階なら無視しても、猫も自力で降りられるだろうとか思えたのですが、そういう高さでもなく……。
悩んだ挙句、これはもう、保護というか、とりあえず捕獲して地上で放すしかないと思い至り、ダンボール箱を持ってきて、思い切って窓を開けました。
すると、猫は一瞬ためらいを見せながら、私の部屋へシュタッと降りてきました。
とりあえず、これで一安心かな?
そう思い、逃げると大変なのでそっと窓をしめました。
そしたら、それに気づいた猫はもう大パニック!!
私の部屋の中をものすごい勢いで走り回って、棚の上にあったものを落として、それに驚いてまた駆け出しありさま。
これはもう、手に負えないと自室のドアを開けると廊下にでて、風呂場のドアが開いていたので風呂場に入り込んでまた物を落とし、別の部屋にも入って暴れまくる始末。
なでなでして、捕まえて箱に入れるなんて夢物語だった……。
と、分かった時にはすでに遅しです。
すると、猫の大運動会に驚いた父が起きてきました。
そして、うちにいないはずの猫の姿を見てビックリ。
『なんで猫がいるんだ……!?』
「私の方が教えて欲しいよっ!!」
とりあえず、お手上げなので猫には申し訳ないですが出て行ってもらうことにしました。
玄関を開けると、待ってましたとばかりに飛び出して行ってちょっとホッ。
さすがに、いきなり手すりには登らないだろうと思って油断してたら、すぐさま手すりに登って、今度は反対隣りの家のベランダに行ってしまいました……。
あうあう。
馬鹿猫だよ……。
助けてあげようと思ったのに、そして助かったはずなのに、隣のうちで同じことを繰り返すのか!?
ただ、幸か不幸かと隣のうちの人は猫に存在には気づかないのか起きてくる気配はなく……。
………… シーン。
静まり返っています。
私もしばらく見守ってたのですが、よその内のベランダのことはよその内の領分なのでそれ以上なにもできず、おまかせすることにしました。
かといって、二度寝ができるわけもなく……。
なのに、母上は何も知らずに寝てました。つおい。💦
でも、父上が起きてきてくれてよかったですよー。
誰も目撃者がいなかったら、私のあたまがおかしいとしか思えない話ですから^^;;
だって、オートロックのマンションの1×階のベランダにに猫が現れるなんて襟えませんから。
父上の目撃と、網戸の爪痕が証拠として残ってたので、私のあたまが正常なことが証明されて本当によかったです。
* * *
早朝にウソのようなホントの話で起こされて、一日眠気と戦いながら仕事を終えて帰宅をすると、マンションの1階で不審な動きをする男女が。
植え込みや隙間を覗き込み『みーちゃん。みーちゃん』と呼びかけてる。
あ、これはもしかして猫を探してる??
うちのマンションは、ペット不可なのですがどうも私の下の部屋の人が猫を飼っているらしいと噂に聞いたことがありました。
私も、猫砂とか猫エサを抱えて帰ってくる姿を見てるし。
2年前くらいに入居して来て、挨拶とかはなかったけど分譲で買って入ってきてる人だし、そうなると長い付き合いになるかもだから、猫を飼っててもうるさくなければまあ気にしないのがトラブルにならなくていいかなと、静観してました。
(ま、まさか昨日の猫がその子だったの??)
首輪もしてなかったし、人慣れしてない感じで大暴れだったし、意外に痩せネコだったから野良だったかもと思ったくらいなのに……。
でも、私の部屋に猫があらわれたその日の夕方に猫探しをしている人がいたら、それは必然的にそのうちの猫が脱走して私のところに来たと考えるのが筋ですよね?
かと言って、顔も覚えてないからマンションの人かもよくわからないし、そんなに親しい人じゃないし、ペット不可なのに猫飼ってますよねって声かけるのもおかしいし……。
しかも、助けようとしたけど逃げられたなんて言ったら『なんで保護してくれなかったんですか!?』とか逆恨みされても困こわいので、とりあえず、早く見つかることを祈りつつその場を後にしました。
うちに来たってことは、そう遠くには行ってない。マンション回りにいるはずなんですぐ見つかるはず……。だよね?
* * *
その日の夕食後、部屋でごろごろとしていると窓の方からにゃあにゃあとかすかな鳴き声が。
下の階に猫が戻ったんだなぁと、よかったよかったと妹に『遠くで猫の鳴き声するから、下の階に戻ったみたい~』メールをして、早く寝ようと準備していたのですが、いつまでたっても猫の鳴き声が止まらない。
遠くで聞こえてたと思ってたけど、だんだん近づいてるような気もするし……。
ま、まさかねぇ??
と、カーテンを開けると……。
そこに昨日の猫の姿が!!!
ひぇぇ~。下手なホラーよりホラーだよぉぉTT
私は、猫はマンションから落ちて大丈夫かどうかということが気になって、昼間にEBの検索したんです。
そしたら猫は、高いマンションから落ちても7.8割生きてるそうなんですよ。
ネコの身体能力すごすぎるっ!!
そういうことも知ったので、今度は冷静に慌てて家の中に入れることはせず、保護しなくても自力で戻れることも分かったので、かわいそうですが無視することにしました。
(だって、今朝、暴れて走り去ったのに、無事な姿でまた戻って来るということは1×階だろうと、なんだろうとへっちゃらだということだし)
こんなところをさまよっているのはかわいそうとも思いますが、また部屋に入れてしまったらこの猫さん、パニックで飛び出しそうですし構わないのがいいように思いました。
私には、猫スキルが皆無だと言うこともわかりましたし……。
私の心の中はナウシカです。
(さあ、
そだよ。
猫よ、帰巣本能があるでしょうが!
あと、匂いとかでも自分ちわかるでしょ!!
本当をフル動員してちゃんと家にお帰り!!
すると、しばらくてて鳴き声が聞こえなくなり、猫は去っ行きました。
ちゃんとおうちに帰ったんだよね?
帰ったと思いたい!
まあ、そんな感じで長い迷い猫騒動が終わり、
その後、二度とベランダに猫が現れることはありませんでした。
・教訓
猫は小さな獣である。
私には、猫を手なずけるスキルはない。
そして、マンションの1×階のベランダに猫がいるなどという、どんなにありえないことでも、目の前にあることが事実。
も少し、自分のあたまを信じようと思います^^;
お わ り
※ 猫好きの方からすると、猫への対処法として不適切なことがあったかもしれませんが、それでもその時に私ができる最善の方法だったのでご了承ください。
天のお城でブランチを(日常エッセイ集) 天城らん @amagi_ran
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