あとがき
本編を読んでくださった方、ありがとうございました。
本作は、以前に投稿した破壊神の終末救世記の続きを描いた番外編です。主人公のルーツにとって、コピーの二人は大局的には敵であっても希望を抱き、それが救いとなった存在、というのが前作でのことでした。なのですが、やっぱり共闘している姿も見たいなぁと思ってしまい、ちょっとだけ続編をやろうと思った次第です。
曖昧にしていたルーツのその後を具体化してしまったし、綺麗に終わらせたと思っていた作品に手を加えるのはどうなんだろうと思うところもあったことはあったのですが、やっぱり再会して一緒に強敵と戦う場面を書いてる時は勝手に感慨深くなっていました。
本来、彼ら三人の物語は前作で完了していたので、おまけです。本作では新しい世界の戦いに共に力を貸すというだけです。なので、今作の実質的な主人公は新キャラたちなんだと思います。ルーツの立ち位置はメンターに近いです。
どんな戦いに力を貸すのならルーツたちが参戦する意味があるか、まずそこが決まらなかったので、すぐには書けませんでした。たまにボーっと考えては少しずつネタが蓄積されていって今の形になりました。けど、そこまでこだわらなくても良かったのかなぁとも思っています。
性懲りもなく寝取られで、新キャラのウィルが被害者だったわけですが、寝取ったのは未来から時を超えてきたウィル自身。そして、いずれ自分がそこに立つことになるという茶番劇です。ただ、茶番に出来なかった感あり……。
ファンタジーならではのNTRってどんなことができるかな、こんな感じにしたら現実では起こり得ない大逆転にできるかなというネタだったのですが、そう思える作りにはなっていなかったかなぁと……。ルーツは最初から見抜いていたので、早い段階で読み手にも明かしてメタ視点でこの茶番劇を眺めるとか、そういう構図にすれば良かったか、でもそうするとドリスの苦悩が伝わらないしなぁ、とか後から悩んでしまいました……。
そもそもNTRにすんなよという話かもしれませんが、破壊神~の続きだったので入れたくなっちゃったというところです。ルーツとコピールーツ(通称、裏ルーツ)の関係と、ウィルとベルビントの関係が対比になる気がしましたし。
ルーツは過去未来ウィルの関係は分かっていたので、マヤとの関係について扱いに困っている立場でした。説明できちゃえば良かったんでしょうけれど、呪いなどというものがあって出来なかったから、せめてウィルがタイムワープを果たして未来ウィルとして戻ってきた時のために動いていた感じです。
ちなみに、ウィルの時超えで発生する矛盾を防ぐための呪いが、ドリスが起こしていたループにまで及んでいたのは不具合です。作中でその説明をできなかったので、一応そういう設定でしたということをここに記載しておきます。
タイムワープやループって、世界線が分岐したり色んなタイプがあると思いますが、本作では世界線の分岐はなしのタイプでした。ループに加えて二種類のタイムワープが出てきてややこしい作りにはなってしまいましたし、やっぱりいざ表現するとなると難しいんなと痛感しました。
心にくすぶっていたルーツとコピーの二人の共闘話を実現させることができたので、今度こそこの物語は終わろうと思います。ルーツとドリスがどうなっていくのか、その辺りも可能性を示すだけで締めさせていただければと思います。
改めて、ありがとうございました。
ループする世界、時を超える想い シマフジ英 @jijitsu_ha_kinari
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