魔陣 「武器」 the MONSTER

辺りを埋め尽くしているのは、戦争孤児達だった。

私はその子供たちの世話を頼まれた。

「お前は何も知らない、心に何もないガキ以下だだから子供から学べ」

「もしお前が、答えを見つけたのなら。もう一度闘ってやる」


「おじさんおじさん、おじさんはどこから来たの?」

「おじさん!!」「わたしはまだ26だ」

「けど髭もじゃもじゃ」「もじゃもじゃ~」


「……調子が狂う」

戦争孤児は何度も見てきた、死んだ瞳をした。または心が壊れてしまった者たちだった。だが不思議とここにいる、少年少女たちは。生き生きとした目をしていた。


「希望」それがあるようだった。「英雄」彼らはそれを見てきたのだろう。

わたしを唯一倒した淑女に、「英雄とはどこにいても光るものなのだな…」

 「ひとつ聞きたい彼女の名はなんという、」姫路 凛さまだよ

彼らの中で最も年長者がそう教えてくれた。


「ひめねぇはねスッゴク強いんだよ」「そうそうだれにも負けないの」

「きっとねきっとねこの戦争を終わらせてくれる」「俺はひめぇねぇと約束したよ」

「戦争が終わったらご飯いっぱい食べさせてくれるって」


そこまで聞いて「そうか」頷く。

わたしは、この小さな目から彼女を見る。

勇ましく清らかで美しい、戦場巫女の姿を。


わたしはいま人生で初めて手こずっている。


左腰に巻かれた重い剣が、何かを守るために振るう事が、どんなに難しいことか。

それから何度かの戦いで知ることになった。


一つ言えるのは「おじさんおじさん」

「これあげる」そういって小さな少女は、花の王冠を私にプレゼントをしてくれた。


「あ、ありがとう」あっけにとられたわたしは、きっと間抜け面だったろう」


私の穴の開いた心は少しづつ、ふさがり。退屈だった人生はありがとうの満面の笑みに、ありがとうの心で少しづつ塞がっりつつあった。


そんななか彼女によばれた、「お前に私の武器を教えてやる」

「お前を一方的にぼこぼこにした技術を刻み込んでやる」

「魔法武術(マジックアーツ)を」


「おまえは英雄になれ、あの子たちを守れ」「英雄になれ」

それはまるで淑女、戦場巫女の死が近いように感じた。

「お頼み申す」くっ「アハハハハ」少女は軽く笑った。


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魔法武術「マジックアーツ」 the MONSTER   ミツルギ @hashibirokou913

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