私を好きな男の存在 2人用台本
ちぃねぇ
第1話 私を好きな男の存在
男:お前、あいつらと一緒にいて辛くねぇの?
女:あいつらって?
男:宮川と藤木
女:どうして?幼馴染と親友とつるむことの何が辛いの?
男:幼馴染と親友、ね
女:なによ、なにも間違ってないでしょ
男:間違っちゃないが、正しくもねぇだろ
女:…あんたって、日本人特有の奥ゆかしさが欠如してるわよね
男:奥ゆかしくしてりゃ幸せになれるってんなら、いくらでも謙虚に生きるさ。奥ゆかしくし続けた結果不幸になった奴が目の前にいるしな
女:よくわかったわね
男:見てりゃわかるよ
女:あんた、私に惚れてるもんね
男:バレてんだ?
女:隠さないんだ?
男:無駄な抵抗はしない
女:あっそ。どうでもいいけど…二人に言ったら殺すわよ
男:いいよ、お前になら殺されても
女:それは告げ口するって宣言?
男:言わねぇよ。好きな女をイジメる趣味は無ぇって
女:あんた女の趣味悪いわよ
男:自分でもそう思うよ
女:うっざ
男:なんで告りに行かなかったかなぁ。幼馴染って、どんだけ時間あったんだよ。藤木が宮川に近づいたのなんてここ1年の話だろ
女:それを言うなら、なんであんたは今まで私に告りに来なかったの?私のこと、結構前から好きだったでしょ
男:言うね
女:違った?
男:結構、がどの期間指してるかわかんねぇけど…俺の片思い歴、割と浅目よ
女:そなの?
男:あいつらがくっついた後無理して笑うお前が気になって、気づいたら目が追ってて、ああこれ恋かって認識したのは3カ月くらい前かな。んで、今溢れたから伝えてる
女:今溢れたんだ。タイムリーだね
男:だろ?お前は溢れなかったの?そこにあんのは伝えるほどでもない感情?
女:溢れても…言えないことってあるのよ
男:勇気出さなかったただの言い訳だろ
女:かもね。てか、惚れた女に随分冷たいわね、モテないわよ
男:現時点で一番振り向いてほしい奴が絶賛よそ向いてるからなぁ
女:ごめん
男:謝んのは無しだろ。謝ったらこの会話終わんだろうが
女:…ごめん
男:どうにでも終わらせたいわけ?
女:そうじゃなくて
男:お前、あいつらと大学一緒だろ。これから先も見守ってくつもり?
女:やーよ。学部だって違うしそのうち疎遠になるんじゃない?
男:お前にべったりの藤木が?大学のサークル、一緒にしようとか言われんじゃねぇの?
女:それは
男:なあ、俺に脈ない?暇つぶし要因でもいい。自分のこと好きなやつは楽でいいぞ~取り繕う必要もないし、寂しい時だけ呼んでも喜んで飛んでくる
女:あんたひどいこと言ってるよ
男:なんで?事実、俺はお前に呼ばれれば飛んでくぞ?あー親の死に目とかバイトのシフトとか色々考慮した上でだけど
女:親の死に目とバイトが同列なんだ
男:仕事すっぽかすのはダメだろ
女:…靴舐めなって言ったら舐めるんだ?
男:お前が望むなら
女:きもっ
男:やらせてんのお前だけどな
女:やらせてないわよ、仮定の話よ
男:じゃあどんなオーダー出す?お姫様の願い、なんでも叶えるけど
女:百億持って来て
男:俺に出来る範囲で
女:急にしょぼくなったじゃん
男:金ねぇもん、今は
女:将来的にはあるんだ?
男:もちろん。宮川より稼ぐ男になるよ
女:すごい自信
男:好きなやつの為なら頑張れるよ
女:…あんたってそんなキャラだっけ
男:なりふり構ってらんねぇの
女:私のせいで?
男:そう。お前のせいで俺今必死。気分いいだろ、優越感っつーの?人一人自由に操ってる。お前は今この瞬間、マジで俺の姫様だ
女:きんも
男:どうとでも言え。…お前が好きだ。遊びで言い、気晴らしでいい。こっち向け
女:…利用するだけして飽きたらポイかもよ
男:それでいい。お前にあんな顔させとくよりよっぽどマシだ
女:私、そんなに変な顔してた?
男:ああ、すっげー不細工だよ
女:さいっあく
男:俺を利用しろ。飛び切り優しくして大事にする
女:あんた、バカね
男:バカだよ
女:……来週の土曜日、暇?バイト入ってる?
男:入っててもこじ開けるよ
女:あれ、さっき仕事すっぽかすのはダメって言ったのに
男:すっぽかしたりしねぇよ、ちゃんと調整してお前の為に時間作る。どこ行きたい?
女:初デートのプラン丸投げする気?
男:お、デートなんだこれ
女:別に嫌なら
男:案10個くらい作って持って来るわ
女:…作り過ぎよ、バカ
私を好きな男の存在 2人用台本 ちぃねぇ @chiinee0207
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