KAC20246 知りたくない?→「自分、サブスク契約中です。死んだらどうなるの?」

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 サブスク契約をしている途中で死んだら、どうなるんですか?

「今、解約の難しいサブスクを契約しています。俺が死んだら、どうなるんですか?」

今、ネット相談中継に出ているサブスク鳥様には、そんな相談が増えた。

 「サブスク」

サブスクリプションのこと。

 動画の定額配信、ファッション、小物、家具系、バイクや車の定額利用までできるサービスだ。

 便利だけれど…。

 ホント、解約が難しい。

 こういう人も、多い。

「解約したいけど、無理。サブスク登録をしたときのメアド、忘れたし。解約、できないまま。仕方なくサービスを続けています」

こんな日本で、「きれいさっぱり、何も思い残すことなく死んでいく」なんて、ほぼほぼ無理。

サブスク鳥様は、言う。

 「サブスクに手を出すなら、解約のしやすいものがオススメ。大手の動画配信ネットフリックスでは、 1年や2年、長い間視聴していないユーザーには確認が入るようになっています」

 こんな確認。

 「契約を続けて良いですか?」

 ユーザーに連絡が入り、反応なしで自動的に止まるらしい。

 でも、そういうのはまれ。

 死んだあとの自動解約機能は、まだ少ない。

「俺が死んだら…」

 すでに死を考えている、若い世代たち。

 勝ち逃げ高齢者たちが、うらやましいよなー。

…で。

 サブスク鳥様は、言う。

 「…は?君は、死にたいの?金を払って、殺し屋とか専門の業者にやってもらえば良いでしょう」

 ネット中継を見て、腹が立ってきた。

「うりゃー!」

チャリンコを飛ばす。

中継をしているネット局は、遠くない。

都会に住むと、こういうときに便利。

ネット局に、到着!

「サブスク鳥(もう、様は付けない)は、どこです!」

聞けば、受付のお姉さんがニヤニヤ笑う。

「…あの鳥は、もう、飛んでいってしまいましたよ?」

「…くそう!会えなかったか!鳥には会えず。トリあえず、だ。せっかく、きたのに!」

…でも、あのう。

お、お姉さん?

今、何かを焼くバーナーを握っていますよね?

焼き鳥を、ムシャムシャとほおばっていますよね?

それは、何の鳥で…?

 

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