墓の惑星

高黄森哉

足の踏み場もないほどの


 この島にはもう何も建てることは出来ない。

 墓があるからだ。


 墓は壊してはいけない。

 墓を壊せば罰が当たる。


 だから、ここになにも建てることはできない。

 なにも新しいことは許されない。


 あるとき、村のある者が立ち上がった。

 この島が石で埋まってしまう前に、


 いつのまにか、その者の墓が出来た

 村は一つ狭くなった。


 伝統が土地を圧迫し、

 無用な労働を強い続ける。


 風習が、

 資源を圧迫する。


 嗚呼、この島にもう何も建てることは出来ない

 だ。

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墓の惑星 高黄森哉 @kamikawa2001

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