海を泳いで

海

まず最初に、これは世間でいう遺書と呼ばれるものではないです。私には言い残したいことや伝えておきたいことはもうないので、ただの独り言になります。

正しい判断をしました。こうするしか他ないとずっと前から考えていたことでした。

なので悲しいことでは無いです、安心してください。むしろおめでたい事だと思って笑ってくれたら嬉しいです。

ですがおめでたいのは自分だけだど、こんな馬鹿でどうしようもない私にもわかることなのです。

それがちゃんと分かるくらい私の暮らしは豊かで恵まれていて、そして愛されていました。

そう思わせてくれた、私を愛してくれた優しい人たちはきっと毎晩泣いて思い出さない日はないのだろうなと思います。

なので書こうと思います。

もしも、見つけたらだけど、これを一番最初に見る人はだいたい予想できます。ごめんね海風。充分苦労しているだろうにこんなことまで押しつけてしまって。

貴方には何も言わなくてもわかるだろうと勝手に思っているけど、怒ってるかな。

姉らしいこと何一つしてないし、貴方もお姉ちゃんと呼べるほどの思い出ないだろうけど立派で強くてかっこいい海風が弟でよかった。苦しくなったらちゃんと逃げてほしい、私みたいにはなるなよ。

そしてユキちゃん。あたしを慕ってくれたかわいいかわいいユキちゃん。

とても、悪いことをしてしまったとわかってます。死にたいだなんていちばん言ってしまってはいけない人に言ってしまった弱い私を、どうか許して。

私の人生否定されるばかりだった。なにを選んでも否定され、言われるがままに沿って歩いても何かにぶつかって突き飛ばされて、でも流れ着いたさきにユキちゃんがいた。

あの夜、間違ってないって私を否定しないでくれたから生きててよかったと心の底から思えたよ。私ってひとりじゃなかったって穏やかな気持ちで今日を迎えられること、本当にうれしい。

ユキちゃんに出会えてほんとうによかった。だいすきだよ。

それと、もう1人謝っておきたい人がいるけどきっと伝わらないだろうなあ。

私をずっと支えてくれてた人、最後まで手を握って私の事好きだと言ってくれた人。

毎日が奇跡みたいな幸せばかりでした。何も出来なかった、甘えすぎてしまったこと謝ります。ごめんなさい。

今何してるかわかんないけど幸せでやってるよね、あんたを幸せにしてくれる人に出会ってるよね。そんならわたしも幸せ！ありがとう！

と言ったところで、私の独り言はおしまい。

今とても心地いい、幸せ。