• 詩・童話・その他

初夏

たくさんの言葉を知りたくて手当り次第本を読んだり、ここに来て何度もページをめくったりしています。たくさん手に取って読んでも、いくつもいくつも終わりが来てしまいます。明かりを消し眼鏡を外してみても見えるものは見えてしまいます。そして遂に気づいてしまったのです、たくさんの言葉をなぞって寂しさを埋めたいのだと。たくさんの言葉を知っていても淋しいものだと。ですが不思議です、私の悲しさにぴったりと寄り添ってくれます。真っ青なカバーを着飾ったあの子を横に寝かせ毛布をかぶせました。途中で「暑い」と布団を剥いだのですが、手は握ったまま離しませんでした。
急な暑さ、振り続ける雨で気が滅入っているのではないでしょうか。
ですが初夏はあなたを見限りません、どうか、どうかご自愛を。

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