第102話 高校生ハンター競技会2日目

 昨日はライズギルドメンバー全員が問題なく勝ち進めた。


 今日も勝っていきたいが、どこかに伏兵がいるかもしれない。場合によってはスカウトしたいな。


 とりあえず2回勝てば全国大会だ。天霧あまぎりくんは問題なさそうだけど、流石くんと茅森さんはどうかな?準備の段階は特に問題はなさそうだけど。


 ちょうど天霧くんの番がやってくる。相手は装備からは剣士タイプにみえる3年生の男子だ。天霧くんよりも背が高く、がっしりした感じだ。


 試合が始まり、お互いが距離を詰めて剣術勝負をするようだな。


 天霧くんは魔法は温存している。手札は多いに越したことはないからね。


 剣術スキルを持った天霧くんの打ち合いは厳しいだろうな。案の定攻防が始まってすぐに相手は攻めあぐねている。


 天霧くんは連撃で相手を圧倒し、相手がすぐに降参した。


 やっぱり天霧くんは高校生レベルだともう抜けた存在だな。



 次は俺の番だ。

 相手は魔法使いタイプの1年の女子だ。

 1年で競技会にエントリーできるだけでも優秀だな。瀧本たきもとさんか、あとでスカウトしようかな。


 闘技台にあがり、礼をし、試合が始まる。


 すぐに相手は魔法を唱える。

 相手の手から光の矢が放たれる。俺は咄嗟に盾で防御する。危なかった。美優みゆと同じ光魔法の使い手か。


 美優のビームより少し遅くて助かった。


 俺は矢に注意しつつ、左右に移動して相手に近づく。


 相手は俺の動きに対応出来ずに魔法を放てていない。まだ経験が少ないから仕方ないな。


 俺は相手に斬り掛かる。

 相手は攻撃に反応できていない。

 あっ、まずいな。俺は首筋ギリギリで剣を止めることができた。


 相手は尻もちをつく。


「降参でいいよね?」

 俺が聞くと、相手は首を縦に振る。


 近接戦闘ばまたまだ全然だけど、光魔法を使えるのはとても魅力的だな。


 試合が終わり、俺は試合を終えて肩を落として歩く瀧本さんに声を掛ける。


「瀧本さん、少し良いかな?さっき戦った九条です」


「はい?えっ?」

 瀧本さんは声を掛けたのが俺だと知り驚いているようだ。


「いきなりなんだけど、今ってどこかギルドに所属してたりするかな?

 良ければライズギルドに入ってもらえたらなと思って」


 瀧本さんは予想外のことらしく驚いている。

「いまは高校の部活に入っているだけでギルドには入っていないです」


「良かった。すぐに決めれないと思うから、競技会が終わったらライズギルドの見学に来てもらえると嬉しいです」

 俺がそう言うと、瀧本さんはコクコクと首を縦に振った。


「見学に伺います」

 俺は瀧本さんと連絡先を交換した。


「ありがとう。詳細はまた連絡して決めよう」


 俺は瀧本さんとわかれ、次の試合に備える。


 その後流石くん、茅森さんの試合があり、2人も順当に勝利した。


 瀧本さんはかなりの逸材な気がするから、絶対に入ってもらえるよう頑張ろう。

 他にも逸材がいないか見ておかないとな。


 ライズギルドを支えてくれる次の世代を見つけるために俺はやる気が湧いた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ダンジョンで成り上がろうとするのはダメですか?-男子高校生は庭のダンジョンを使い倒す- 辰川ぼたん @tatsu-novel

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ