第101話 高校生ハンター競技会 地区予選

 ダンジョンブレイクを防いだ件で俺へのインタビューが波紋を呼んでいる。


 そもそもダンジョンの管理を個人に任せることが正しいのか?ハンター協会、国は何をしている?といった議論を報じるテレビ番組が出てきた。


 現状のダンジョン管理の方法について世間が疑問を持ち始めた。


 これは良い流れだ。ライズギルドの道場であったり、道場参加者への格安での代理探索システムなどをテレビや新聞が取り上げてくれている。


 その影響でライズギルドの知名度はうなぎ登りになっている。


 地域での立ち位置も月夜見つくよみギルドにもう少しのところまできた。あと少しだ。


 ○


 夏休みがあっという間に終わり、高校生ハンター競技会の地区予選の日がきた。


 俺は昨年優勝しているので、優勝候補として競技会に参加する。ライズギルドの宣伝にもなるので負けられない大会でもある。


 今年は同い年でライバルになりそうな人はいないので、天霧あまぎりくんが最大のライバルになりそうだ。流石くん、茅森さんも侮れないな。


 今年からエントリーのためにハンターランクでD級以上が必要となっていた。

 流石くんと茅森さんはギリギリD級昇級が間に合ったので良かった。

 出場できないのは可哀想だからね。


 予選会はハンターランクの足切りがあるため、最初からトーナメント方式となっている。

 D級にあがるのもそれなりに大変だからな。


 会場に着くと、周りから注目を集める。


「九条とは当たりませんように…」

 周りからそんな声が聞こえてくる。


「九条先輩!おはようございます」


 振り返ると、天霧くんと流石くん、茅森さんがいた。


「おはよう」

 俺は挨拶を返して少し話をする。


 3人とも初めての競技会で緊張しているみたいだ。


「大丈夫、3人ほどの実力者はそうそういないから。落ち着いていこう」


 少ししてから開会式が始まり、すぐにトーナメントが始まる。参加者は100名程だった。

 足切りがきいているな。


 トーナメント表が掲示されると、俺の山には茅森さんがいるが準決勝まで当たらないから安心だ。


 逆には天霧くんと流石くんがいて、こちらもすぐには当たらない。


 俺は2回戦からの戦いになる。全国へはベスト4までが参加出来る。できれば全部ライズギルドで占めたいがさすがに難しいかな。


 初日でベスト16が出揃う。


 俺は無難に2回勝利をおさめ、明日へ駒をすすめた。対戦した相手が戦う前から戦意喪失しており、気の毒だった。


 天霧くんたち3人も危なげなく勝利をおさめ、明日に駒をすすめる。


 明日も全員勝ち進みたい。

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