第2話 続く不幸

妻がなくなってから半年がたった。なんとか妻の遺品と気持ちの整理がつき、仕事も今まで通りに復帰することができた。変わったことがあると言えば毎週末に妻の妹の陽花ちゃんがうちに来てご飯を作ってくれるようになったことだ。

一度は断ったのだが、どうしても心配だからと言って食い下がらなかったため、材料費はこちら持ち+泊まりはなしという条件で受けることにした。


今の生活に慣れてきた頃、俺は突然社長室に呼ばれた。


 「ご用件とはなんでしょうか。」


 「申し訳ないが、これから伝える事は会議に会議を重ねた結果だ。心して聞いて欲しい。」


社長から伝えられたのはリストラであった。どうやら会社が別会社に買収され、社員のうち3分の1をリストラせざる負えなくなったらしい。

妻の死亡から1年とたたず、そこから続いて会社のリストラと正直かなりこたえた。

俺はその後、残っている社員への引継ぎと上司への挨拶、デスクの片づけを済ませて家へ帰った。帰った後は、家にあるお酒をあるだけ飲み気絶するように眠った。


 「・・さん。お兄さん!」


声が聞こえ、目を覚ますと陽花ちゃんが俺の肩を揺らしながら声をかけていた。


 「あれ?陽花ちゃん。なんで?」


 「なんでって。いつもみたいにご飯を作りに来たら部屋は荒れてるし、お兄さんはスーツ着て座ったまま寝てるし。何があったんですか?」


 「ちょっとね。」


俺はちょっとでも楽になりたい気持ちから会社での出来事を陽花ちゃんに話した。


 「って俺、いつも陽花ちゃんに愚痴言ってるね。ごめんね。おっさんの不幸話なんか聞かせて。」


 「おっさんってお兄さんまだ20代じゃないですか。それにそんなことあったんですから、愚痴を言いたくなるのも当然ですよ。私でよければ話聞きますから。今日はもう着替えて寝なおしてください。作り置きだけ作って今日は帰りますから。」


 「ありがとうね。また今度お礼するね。」


 「楽しみにしてますね。」


俺は寝室へ行き、そのまま眠りについた。

























 「順調順調。それにしても落ち込んでるお兄さんかわいかったな。やっぱり今すぐにでも・・・。いや、もうすぐあれも完成するしあの期間にも入る。もう少しだけ待っててねお兄さん♡」 

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