ステップ2 覚醒

日時:2027年4月25日(火)午前7時25分

天気:雨


…もちろん虚世界に転生できたわけではない。夢の世界に入れたわけでもない。待てよ、虚世界にいけないのは当然だが、夢の世界に行けないて何だ。僕は死んでいるのか。メンタルはイエスと言う。もちろんフィジカルはノーだ。まあどうでもいいか。


起きがけはこうやって3分間の妄想が僕のルーティーンだ。夢を見足りないのか、自分が何かの物語の中で生きていると思い込みたいのだ。潜在意識が、僕のコアがそう訴えているのだろう。


朝起きたら着替えるだけだ。髭剃りも寝ぐせ直しも時間があればする。時間があればだ。いつも緊急出動している。


僕は黒いSUVで通勤していた。職場は10分もすれば着く。工場長からは健康のために歩いて来なさいとよく言われる。歩いて30分もかからないが、やはりギリギリまで寝ていたいのでその提案は毎度却下している。


時々手動でワイパーを動かせば良いほどの雨の量だ。朝から雨は気分が沈むという人がいる。それも分かるが、僕はむしろテンションがあがる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

雨のビジネスマン 白5 @white5

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ