これは真剣な物語

早押しクイズ×人狼×デスゲーム×能力バトル。「心理戦」で結びついたこれらの要素が全て上手く機能しており、決して「題材負け」しない面白さを最後まで発揮してくれた。

マイナージャンル競技(クイズはバラエティ番組でお馴染みなのでマイナーとは言い難いかもしれないが、実際に遊んだ人は少ないはず)・そして選手へのリスペクトも感じられる。
そういった意味で、ライバルキャラ:Qのキャラ造形が本当に良いよな……と思った矢先、後半で更に株を上げていった。主人公:Aも同様で、やがて能動的にクイズに向き合っていく様が魅力的に見える。そう、二人とも真剣なのだ。

真剣さが理不尽に潰されてしまいがちな現代社会。でもフィクションの中くらい、真剣な者が最後に笑い、理不尽がぶっ飛ばされる世界であってほしい。結末を読み終えて数日経った今、そんな事をふと思う。