Q eND A ★コミカライズ決定★7/25書籍版発売★

獅子吼れお🦁Q eND A書籍版7/25

Q1 紙のサイズ、電流の単位、トランプの1の札に共通するアルファベットは何?

Q1 紙のサイズ、電流の単位、トランプの1の札に共通するアルファベットは何? 1

【問題。漢字では、大きい口のさ】

「タラ」

 正解。

【問題。サイコロの目の数字をすべてた】

「720」

 正解。

【問題。日本三景とは、】

「天橋立」

 正解。

 Qが3問連続で正解し、ラウンドが終了した。僕の隣の女が目を血走らせ、Qに掴みかかる。

「お、おかしい!最後のなんてまだ3択じゃない!お前が『アンサー』だ!じゃなきゃあんな」

 ブッブー。不正解の音。女の頭が水風船みたいに破裂した。肉片が口に入った気がして、吐き気を堪える。

「やあ、ごめんね。勝ち抜け確定なのに、つい押しちゃって。でも、負けてから能力を指摘するのは、いいプレイングだ!どっちみちもう死ぬんだしね」

 Qはへらへら笑いながら死体をどけ、血がついたままの手で僕の肩を叩いた。

「君、Aだっけ。いい押しだったよ!判断力も知識量もある」

「はあ、どうも」

 つられて、僕まで気の抜けた返事をしてしまう。

「それとも、答えを知ってた、とか?」

 背筋が凍った。

 Qの推理は正しい。『アンサー』は僕だ。僕はクイズの答えがわかる。


【ラウンド5。解答者は前へ】


 アナウンスが響く。回答席に向かうミラと目が合った。無機質で真っ白な空間に、ピンクの髪が目立つ。

(能力バレてんじゃん!当てられて死んだらどうすんだよ。あたしにガチでクイズやれっての?)

 ミラの『テレパス』で、テンパってるのが伝わる。

(落ち着いて。外したら死ぬんだし、まだ当ててこないよ)

(でも、万が一……ああもう、なんでこんなピンチになってんの!答え知ってんだぞウチらは!)

 ミラは頭をかきむしる。

 僕だってそう思う。早く押さなきゃ答えられなくて死ぬし、早く押しすぎても能力がバレて死ぬ。本当に厄介だ。

(次の答えは、フッ素、だ。でも押さなくていい)

(なんで)

(問題を聞きたい。今は情報が欲しいんだ。Qの早押しは能力か、技術か。まずはそれを解明しないと、僕らに勝ち目はない)


【問題。】


 ミラがボタンに指を置き、僕は耳を澄ました。

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