エピローグ:未来予想図は誰にも分からない
数年後。僕は晴れて社会人として暮らしている。何かに打ち込むことが僕は好きだからそういった会社に入社した。そして仕事が終わってもう日が暮れて良い時間になってから家に帰宅する。
「ただいま〜」
「あ〜、やーっと帰ってきた〜。おっかえり〜りゅーやー」
「おわっと……もう………そんな急に抱き付かれると後ろに倒れちゃうでしょー?」
「ふへへ、そー言ってちゃーんと受け止めてくれるくせに〜」
「……それはまぁ」
扉を開けて中に入ればすぐさま香織が駆け込んできて僕の胸許めがけて抱き付いてきた。反動で少し後退るけどしっかりと抱き留める。
「少しだけ立て込んじゃってさ。遅くなってごめん」
「んーんー、だいじょーぶ。つかれた?」
「ん〜……まぁだいぶ」
抱きついたままチラッと見上げてくる彼女を見ながら苦笑する。香織はニッと笑った。
「そー言うと思って、ご飯、出来てるよっ」
「あ、確かに良い匂いがしてるね。早速頂こうかな」
パタパタとリビングに戻っていく香織を追うように自分は靴を脱いでスリッパを履いてリビングに向かう。その時チラリと視界の隅に映る写真に目を向ける。
「………………」
写真は2枚あった。一つは僕が弓道の大会で優勝した記念写真。そしてもう一つは────。
───────純白のドレスに身を包んだ香織と共に写る、少し服に着させられた感覚のするタキシードの僕だった。
『りゅーやー?』
「んー、いまいくー」
君の一射に魅入られて 海澪(みお) @kiyohime
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