主人公・コノハは弓の名手。天皇陛下より功績をたたえられ、大王家の新しい従者として抜擢される。そんなコノハに第一皇子・建比古が強烈な一目惚れをするところから、物語ははじまる。建比古の真っ直ぐな思いは、見ていても愛おしく、つい応援したくなってしまう。
急展開で始まった二人の関係は、静かにゆっくりと時間をかけ距離を縮めていく。大事件が起きるわけでも、派手なアクションがあるわけでもない。けれど、二人の関係が深まっていく様子に気づけば見入ってしまう。従者として使えるコノハと皇子として国を背負い、弟である皇太子を支える建比古。本来であれば主従関係であるはずの二人がお互いを求め合い、寄り添うようにして愛を育んでいく。
感情の変化を丁寧に描く、静かな恋を求める人にオススメの作品です。
( 守られるのではなく守りたい! 男性の中で戦う強い女性主人公たち 4選/文=望月くらげ)