第433話 歩き遠足と望の結果
翌日起きると傍らにはのぞひー。
望『くぅ…くぅ…。』
ひー『ぷぴー。…ぷぴー…。』
昨晩は久々にこの子達といっぱい話した。
…もう望とひーちゃんを悲しませないようにしないとね。
俺には大それた野望や夢は無い。
けどこの寝顔を、大好きな人たちを守りたい。
今日は月曜日。
もう7月に入った、熱い夏が始まる。
望は元気に県予選最終日へ向かう。
望はパチンってウインクして昨日買ったシューズを掲げて見せた。
…がんばれ!
☆ ☆ ☆
俺は部活もしていないし普通の日常。…でも無い。
今日は歩き遠足。
去年の模様 196話歩き遠足と永遠
https://kakuyomu.jp/works/16817330656200078233/episodes/16817330665624022629
※この回や体育祭やマラソン大会でチラチラ見てる髪長い男子があっちゃんですw
また18km歩いたさ!紅緒さんも三十分だけ一緒。
なんと!今年はあっちゃんと木多さんも一緒に歩いた!
去年の教訓があるから水分、おやつ、弁当はそれぞれ工夫して伊勢さんや紅緒さんの重りは俺や青井が持ったりね。
今年は今の2年2組の生徒、旧1年4組の生徒が周りを取り囲んでわいわい皆んなで歩いた。
去年の今頃に比べて人数が多い!
紅緒さん人気者なんだよなぁ。
それでも軽口も出ない紅緒さんを青井がいじる。
青井『もう紅緒用人力車かなんかに載せて俺たちが引けば良いんじゃね?』
仙道『聖帝みたいな奴?』
紅緒『…こんなに苦しいのなら…悲しいのなら…愛などいらぬ!!』
キリッ☆
北斗ネタ大好きなJKもどうかと思うが…。
そして息も絶え絶え去年同様、第一チェックポイントで、
紅緒『ここまでありがとう♪
みんな体調に気をつけてね?頑張ってね!』
紅緒さんは綺麗な一礼をしてリタイアした。
パチパチパチパチパチパチ!
大きな拍手で見送られてまた紅緒さんは泣いた。
泣きながら皆が見えなくなるまで見送ってくれた。
もうじき折り返しの8km地点。
伊勢さんはふうふう言いながら、
伊勢『…あたしがリタイアしたら…みんなどうする?』
仙道『どうするって…。』
青井『担任に電話入れて回収して貰えば良いんじゃね?』
伊勢『立花ぁ…。』
半泣きの伊勢さん…俺伊勢さんには借りが多い。
昔から色々、こないだも落ち込んでる時…デートごっこして励ましてくれたし…!どうする?何が出来る?
そこに、
木多『成実ちゃん?栄養ドリンクあるよ?』
伊勢『!!
木多ちゃんすごい!その手が!』
…糖分、ビタミン、カフェインと取り敢えず効きそうではあるが何よりメンタル的に効きそう!
伊勢さんは腰に手を当てて一息で飲み干す!
伊勢『漲ってきた!!』
伊勢さんはそう言い胸を張ると…!
その高校生離れした立派な…胸が形クッキリ…!
バツン!!
???
伊勢さんが真っ赤になって胸を抑えた!
木多さんが慌てて手を広げて伊勢さんを庇う。
『どうしたの?』
青井『伊勢?大丈夫か?!』
仙道『何?肉離れとか?』
心配する俺らをよそに、
厚樹『…ブラ壊れたんじゃね?』
伊勢『言うなし!!』
木多『…流石成実ちゃん…栄養ドリンクでブラを吹き飛ばすとは…!』
青井『ケンシロウが服破るようなもん?』
仙道『胸厚!いや胸熱!!!』
厚樹『…。(笑いを堪えている)』
伊勢『仙道頃す。』
昼休憩の公園まで伊勢さんは真っ赤になりながら胸を抑えていて…恥ずかしがってる女の子ってめっちゃ可愛く見える…!
ブラはなんとかなったらしい。
この後は大変ながらもみんなでゴール地点まで辿り着いた。
汗まみれになりながらいっぱい話しをしながら。
…なんかこうゆうの久しぶりですごく楽しかった。
ゴールでは紅緒さんが救護班として頑張っていた。
紅緒『おかえりっ!おつかれさま♪』
にっこり笑顔で参加者を迎え入れる紅緒さんは正統派の美少女で…。
髪を耳にかける仕草に見惚れている男子生徒も多い。
俺たちに気づいて子犬のように嬉しそうにやってきた!
紅緒『…恥辱の救護室…そこは救護できませんっ♡』
『…これさえ無ければ…!』
紅緒永遠は残念美少女なのである。
☆ ☆ ☆
そして来週の三者面談の話しなんかをしつつ教室へ向かい、しばらく休憩して解散。
流石に今日はバイトも勉強もしないで家へ帰るよ。
もうへとへと。
青井、伊勢さんと一緒に新川へ帰る。
コンビニで別れて…コンビニで望が好きなハーゲンダッシとチェリオ買って…俺のポカリも…ひーちゃんのリンゴジュースも。
家で久しぶりにぼーっとする。
しばらくすると…寝てしまっていた…。
…。
…。
…。
あ!もう夕方!
望?望の結果どうなった?
スマホ見るけど…着信やロインは無くって…。
一階へ降りると…望!
望は俺が買っておいたハーゲンダッシを頬張ってた!
望『ははいま!』
※ただいま!
『おかえり!大会どうだった?!』
望はしょんぼり…いや、口元が緩んでる…。
こいつ…。
『…あたし…優勝したよっ!!』
声のトーン落として…でも口はニマニマしてるからすぐにわかった。
俺は乱暴に頭をくしゃくしゃって撫でて、おめでとうって伝える。
望は頷いて、
望『いつも兄ちゃんが応援してくれるおかげ。
ベスト4で地区大会進出は決まってたけど、今日2勝して県で1位!!
この県最強のJCを名乗れるよぉ!!』
その日の夕飯は豪華だった!
望は武勇伝を語るように試合を熱く語り、家族は微笑みながら望を祝福する。
良かったね?次の地方大会でベスト4に入れば全国大会へ進出だよ!
絶対に勝ち残るから!全国大会は見に来てね!
地方大会は7月の下旬、全国大会は8月半ばころ。
…望はすごい。
県で最強のJCってことでしょ?テニスの。
なんか感無量。
この日はお祭りみたいな1日だったんだよね。
慌ただしい1日が終わる頃、俺は思い出す。
あ、昨日松ちゃんが…言ってたっけ?
ドレスコード?
スーツってどこで買うの?どんなの買えば良いの?
松ちゃんの言うスーツ…?
親には説明し難いし…。
…困ったら連絡してって言われてたっけ?
俺は大人で上流階級にも詳しそうな優奈さんにどんなスーツ買えば良いのか相談する事にした。
…優奈さんは優秀だけど自由人だから多少心配だけど…。
411話 香椎姉妹と帰り道参照
https://kakuyomu.jp/works/16817330656200078233/episodes/16818093079795148630
☆ ☆ ☆
夜、香椎家。
優奈『あ、玲奈。』
玲奈『なに?お姉ちゃん?』
優奈『明後日の夕方暇?』
玲奈『インターハイ予選あるから暇は無いよ。』
優奈『どうしても?』
玲奈『うん。問題無ければ3日目で個人戦決勝の日だもん。』
優奈『じゃあいいや。最高の誕生日プレゼントあげるつもりだったけどなぁ。』
玲奈『ふふ!ごめんね。』
優奈はニヤリと笑う、
優奈『承くんの初スーツ買いに行く。』
玲奈『なにそれ?!詳しく!』
優奈『玲奈忙しいのかぁ…じゃあお姉ちゃんが承くんの人生初スーツ選んであげちゃおう♪』
玲奈『待って!私も連れて行って!お姉ちゃん!』
優奈『じゃあわかるよね?』
その晩玲奈は優奈の抱き枕になってなすがまま。
抱き枕→頬擦り→チュッチュってコンボでメンタルを削られながらも…。
玲奈『(承くんのスーツ!人生初スーツ!見逃せないよ!!』
玲奈さんも漲っていた…!
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