木津手山の話

月のない参道を歩く


山の中腹。ヤマ之ヤ丗マ?名前がわからない。


松葉が熱だした。ぜぇぜぇ荒い音


幸い社はしっかりしている。

よれた布団を見つけて寝かせる


萌黄おねーちゃんが呼んでくる


あんまり帰ってこないから、参道を降りて


頭が転がっていた。


頭鳥。鈴なり

はくえはくえ


茂みにひきっりこまれつ


祭わいだ


萌木枯れる。


灰とかす


いろはに火照った身味ひとつ

水は何処其処喉枯れる


焼きましょ、喰いましょ


松葉枯れた


体猿


松葉が燃えた

炭になる


最後はみんなで分けましょう


大人が登ってきた


鍬に鉈に炬たいまつ


誰を食べるのか


一人しかいない。


捧げたわしらの


ごちそうだ。


村のうた


私は身の危険を感じ、そそくさ村を後にした。


三人がどうなったか知らない。

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村の話もしくは木津手山の話 ヨコスカ @KOUHONE

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