最初にひとつ、言っておくべきことがあるとすれば、この作品は冒頭の散文詩だけでも優れたものであるということでしょうか。
それをストーリー仕立てにしたことで、そこに含まれている「もの」がさらに磨き上げられているように感じます。
実際、読後に感じたのはなるほどそう言うことかと感心する気持ちと、毛穴のひとつひとつにまで染み込んだ「恐怖」でした。
さらにこの詩が秀逸なのは、童歌《わらべうた》をもじって作られているところです。
「童」という言葉の持つあどけなさや無垢な感じが、そのまま裏返ったように、この詩の得体の知れなさを増幅しているように思えるからです。
内容については、敢えて一切触れません。
作者様からの言葉を含めて15話ありますが、全体で2000文字強ほどですので、すぐに読めます。
ぜひ、ご自分の眼で確かめていただきたいと思います。
ただし、矛盾するようですが文字数がそれほど多くないからと言って、すぐに読み終えられるとは限りませんよ?
現に私は、一話拝読するたびに立ち止まってしまいましたから……。
そしてぜひ、読み終えたあとに目次のページをよーくご覧になってください。
いいですか?
読み終えた後に、ですよ?
気が付くと……私は鳥肌が止まりませんでした。