片思い歴10年 幼馴染の恋

幼馴染からカレカノに

次の日、春乃と蓮は佐和に付き合うことになった事を報告した。

「わ～、良かったね〜」

佐和の目は潤んでいた。

「うん、佐和が教えてくれたから…」

「！ちょっと、それ…」

佐和は、シーっのポーズをした。

「何？」

蓮は聞いた。

「あのね、蓮が、私の事とっくにに好きだって」

蓮の顔が赤くなる。

「何を教えてるんだよ…」

蓮は佐和を睨んだ。

「いや、だって…。恋愛レベル1の子、はっきり言わないとさ、気づかないんだもん」

「…でも、確証のないことを…」

蓮が言った事に、佐和は目を丸くした。

「あんた、バレバレだから」

「え？」

「だから、春乃周りの男が引いてったんじゃん」

「え、あれ付き合ってるフリだったんだけど…」

「恋愛レベル2…」

蓮に向かって言った。

「そんな低くねーわ」

「…」

佐和は本当の苦笑いをした。

蓮と春乃は一緒に帰っていた。

「ね、手繋ご」

「うん」

春乃は手を握った。

「恋人繋ぎする？」

「…うん」

蓮は、指を絡ませた。

「やっぱり…ドキドキする」

春乃が顔を赤くして、微笑んだ。

「…可愛いこと言わない」

「？」

春乃は蓮の顔を見た。

「こっち見ない」

「なんで？」

「春乃のその顔、爆発力が…半端ない…」

蓮は、赤くなっている顔を片手で隠した。

春乃はそれを見て笑った。

蓮は、ムカついて手をきつく握った。

「痛っ！」

春乃は、蓮を睨んで、強めにパンチした。

「いってぇ」

２人で、笑いながら帰った。

「あー楽し。昨日までが嘘のようだー」

春乃は、伸びをしながら言った。

「そうだね…」

ちょっとバツの悪そうな顔の蓮。

「…ごめんね」

春乃が言った。

「？謝るのは、俺な気がするけど…」

「佐和にも言われた」

「…まだ、何かあるの？」

また、恥ずかしめを受けるのかと身構えた。

「恋愛レベル1だからって、それに慣れちゃだめだって。蓮が、どう思うかって、理解しようとしなきゃって…」

「…佐和ってすごいな…」

「晴人さんの事…」

「あのさ、」

「ん？」

「晴人さんって言うのやだ。

先生とか、中山さんとかにして」

蓮は真面目に言った。

「…」

「ずっとやだった」

「ごめん」

「…」

「あと、モデルの仕事はしていいけど、って俺が許可することじゃ、無いけど」

「うん」

「俺の前で楽しそうに話さないで」

「うん」

「あと」

（まだ、何かあるんだ…。…。）

「俺、先生みたいに、何の取り柄も無いけどいいの？」

「？学年１位じゃん」

「それだけだもん」

ちょっといじける。

「絵がかけたりとか？できないってこと？」「何か違う気がするけど…」

「…蓮と一緒にいて嬉しいよ」

「…」

「先生より、100倍くらい楽しくて嬉しい」

「…何か…泣ける…」

「何でー？」

春乃は笑った。

「あのさ…」

「ん？」

「付き合ってるってことはさ。これからはさ、ハグとかしてもいいの？」

「いいよ」

「！…」

蓮はまたしても、春乃の爆発力にやられた。

蓮は、春乃が、沢山の男子が恋する美少女だということに、この時、やっと気がついた。

「これから、大変そう…。心臓、ギュッてなる…」