第3話 魔法の才能
アラタはお茶をいれてエヴリンに勧めると、向かいに座りエヴリンに説明を始めた。
「この世界では、魔法が現実の一部として存在していて、この力を使って色々なことができます。そのため、この世界には魔法を学ぶ学校がいくつか存在しているんですよ。」
エヴリンは興味津々で聞いていた。こんなに胸が高鳴るのなんてここしばらくなかったことだ。
「魔法学校…すごい!楽しそう!でも私が魔法学校なんかに入学できるんですか?魔法なんてもちろん使えないですよ?」
アラタはしばらく考え込んだあと、
「魔法学校に入学するためには、まずは魔法の才能があるかどうかを確かめる必要がありますね。才能がある場合は、学校に入学するための手続きを行い、試験を受けることになります」
「魔法の才能があるかどうかはどうやって分かるんですか?」
エヴリンは不安げに尋ねた。
アラタは優しく微笑んだ。
「それは、魔法の先生が見分けることができます。私があなたを紹介できる先生がいるので、その先生に会って魔法の才能があるかどうかを見てもらいましょう」
エヴリンはうれしそうに笑った。
「ぜひその先生に会ってみたいです」
アラタはエヴリンを連れて、魔法の先生のもとへ向かった。
彼らがたどり着いたのは、小さな家の中にある広々とした部屋だった。
部屋の中には、古い本や魔法の道具がたくさん置かれていた。
その部屋で、白い髪をした老人が彼らを待っていた。
「アラタさん、こんにちは。そして、若いお嬢さん、はじめまして。私はリディアと言います。」
老人はエヴリンに微笑んだ。
「リディア先生、こんにちは。私はエヴリン・カーターです。エヴィと呼んでください。」
エヴリンは礼儀正しく挨拶した。
リディアはうなずいたあと、
「それで、今日はなんでこのお嬢さんをつれてきたんだい?」
アラタから説明を受けた後、リディアはエヴリンをじっと見つめ、彼女の魔法の才能を感じ取ろうとした。
「さて、エヴィ。これからあなたの能力を確かめるためにいくつかのテストを行います。心配しないでくださいね、簡単なものですから」
エヴリンは緊張しながらリディアに頷いた。
「じゃあちょっと後ろをむいて」
リディアがエブリンの背中に手を触れたかと思うと、触れたところから暖かい波のようなものが全身に駆け巡るのを感じた。
そして、まず、エヴリンに炎のイメージを手のひらに上に描くように指示した。
エヴリンが手を広げて集中してしばらくすると、驚くことに小さな炎が手のひらに現れた。
リディアは満足そうにうなずいた。
「うむ、素晴らしい。では、次にこの水晶玉を浮かせてみてちょうだい」
エヴリンは水晶玉を目の前に持ち、魔法でそれを浮かせようと試みた。
しばらく苦戦していたが、やがて水晶玉が宙に浮かぶことに成功した。
リディアは驚きの表情を浮かべてエヴリンを見た。
「これは驚いた。エヴィには2種類の魔法の才能があるよ」
エヴリンは喜びに満ちた表情を見せた。
「本当ですか?それなら、私は魔法学校に入学できますか?」
リディアはうなずいた。
「ああ、魔法学校に入学する資格がある。ただし、入学試験を受ける必要があるけどね」
アラタがエヴリンに説明を加えた。
「この世界にはいくつかの魔法学校がありますが、最も有名で最も優れた生徒たちが集まる学校は『アークヘイヴン魔法学院』です。私はエヴリンさんにはそこで学んでいただきたいと思っています。」
エヴリンは目を輝かせて聞いた。
「アークヘイヴン魔法学院ですか?よくわからないけどやった!」
もちろん知るはずがない。この世界の住人であればそこが一流の魔法使いを幾人も輩出している学校だと知っているのだが。
リディアはにっこりと微笑んだ。
「では、エヴィ。あなたに試験の日程と場所をお伝えしましょう」
パラレル・ディメンションズ もにょスレイヤー @monyo_slayer
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