【オマケの話】“常識”

≈≈≈


「……という『おはなし』じゃ」


 パイプのけむりをくゆらせ、揺り椅子いすに揺られながら、老いた『骨ピ』こと【偉大なる洞窟ゴブリンの首長しゅちょう】は孫や近所の子どもたちに、自分の思い出話を聞かせた。孫たちも近所の子どもたちも、みな目をキラキラさせながら【偉大なる洞窟ゴブリンの首長】の冒険話に耳をかたむけている。

 そんな子どもたちの様子に、【偉大なる洞窟ゴブリンの首長】もまた目を細める。

 ……子どもは国のたからだ。

 国が立派でも子どもがいなくなれば、やがて国はほろぶのだ。【偉大なる洞窟ゴブリンの首長】は、経験によりそれをっている。その250年の生涯の中で、いくつもの偉大なる『人間の国』がほろさまを彼は見てきた。

 

 未来をになう子どもたちに『おはなし』を伝えることが、年老いた今の彼にとって最も重要な最後の責務せきむである。


「その魔女は、手に入れた【長虫ワーム】の『たまご』をなにに使ったの、おじいちゃん?」

「なんで魔女は太鼓叩いて『あ〜あ、あ〜!』って、やったの?ねえなんで?」

「……それに、魔女が太鼓叩いてる間にどうやって『たまご泥棒』やったの?」

「【長虫ワーム】ってどんな形なの?」

「あと【長虫ワーム】の巣の入口は今どこにあるの?」

「ねえ、魔女はなんで色々知ってるの?」


 好奇心旺盛おうせいな子どもたちは、口々に彼らが疑問に思ったことを、年老いたゴブリンの首長に問いかける。

 これが学びの源泉げんせんになるのだ。


「それはな……」


 …と、子どもたちに向けて『骨ピ』は『』をした。


 ……この仕草ジェスチャーは『楽しい秘密』を意味するものであることは、孫娘はじめ洞窟のゴブリンの子らは、今はみんな“”として知っているのだった。




『洞窟のゴブリン〜骨ピとウンラロ、と魔女〜』











≈≈≈

画面下の☆☆☆で↓

⊕って所を連打してみてください。

三連打推奨です。

それだけで、単純な私は幸せになれます。

励みになりますので、♡コメントもよろしくお願いいたします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

洞窟のゴブリン〜骨ピとウンラロ、と魔女〜 アマノヤワラ @sisaku-0gou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説