一歩のボツ箱(仮)
一歩
第1話
医院 診察室
「先生、教えてください」
目の前に座っているのは、仮面をつけた人物が座っている。
「何のことだ」
「とぼけないでくださいよ。
「患者のことは、教えられない」
「その話ではなくて、もっと別の話です」
「何の話かは、どうでもいい。
それより、さっきから首に当てている物は、何だ」
先生の首に当てていた物は、包丁だった。
「マイクです」
「最近のマイクは、随分と物騒になったんだな」
「先生とお話したくて持ってきました」
「そんな、物騒マイクで何を話すんだ。
お前に話すことはない」
「……そうですか……。
お話が通じないなら、仕方ないです」
「なんだ、お前のことだからそれを首を押し付けるんじゃないのか」
「先生じゃあなかったら、やっています」
「最初からそれを使って、あいつと話せばいいだろう」
「
最近、麻意に避けられている気がして、本人に問い正しても……忙しいとしか言わないんです。
それで、喧嘩までする羽目になり、会うのも気まずくて……。
先生なら、何か知っていると思ったので……」
先生は、顔は見えないが不機嫌そうだった。
「ここは、お悩み相談室じゃねぇ。
当事者同士で、話し合え」
「何を言っているんですか先生?
医者は、患者の悩みを聞くのが仕事とでしょ」
「病に関する悩みを聞いて、治療するんだ。
お前のは、ただの喧嘩だろ」
「先生、お時間ですのでお願いします」
突然、後ろから声がした。
「うわぁああーー!」
包帯を巻いた看護婦が、ドアの前に立っている。
「クフフフ、相変わらず面白い反応ですね」
看護婦は、不気味に笑っている。
「今から仕事だ。
これを持ったら、さっさと帰れ」
紙袋を渡した。
「ありがとうございます。
失礼しました」
「クフフフ」
看護婦は、不気味に笑っている。
「何が、おかしい」
「先生は、面倒見がいいですね」
「……。
早く、患者呼んでこい」
「はい、わかりました。クフフフ」
一歩のボツ箱(仮) 一歩 @kazuho0228
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。一歩のボツ箱(仮)の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます