第4話 開幕わんこそば対決!!
「まさか、
「そうでしょうか?」
「あはは、そう言えば、口調も昔と変わらないのね」
「翔太は、昔から真面目だもんな!」
俺たちは、昼食を一書に食べるため屋上の給水タンクがある
バタンッ!!
誰かが屋上の扉を開けて入ってきた。
「ここに、中井翔太さんはいらっしゃいますか?」
尋ねてきたのは、我が校の風紀を取り締まる風紀委員会委員長である。二つ名【地獄の花】こと
「居るけど〜」
零奈に対して真奈美は返事をする。
「翔太さんとお話したいことがありますと伝えて貰えるかしら?」
「翔太、お客よ〜」
ダルそうに真奈美は手首で箸を上下に動かして言う。
「お、委員長じゃん!」
「今日はお二人で昼食ですか?」
俺のことを無視して、零奈は二人に話しかける。
「おい、俺を居ないもの扱いするな」
「あら、ごめんなさい、あなたも居たのね。影が薄すぎて気づかなかったわ」
「おい、それはおかしいだろ。さっきから俺は真奈美と翔太の隣に居たぞ!」
「お二人のオーラがありすぎて、あなたの存在が霞んでいたからよ」
この女、俺の時だけ何でこんなに毒舌なんだよ。
「よーし、そこまで言うなら、わんこそばをどっちがより食べられるか勝負だ!! 勝った方は相手に好きなこと何でも一つ命令できる」
「勝負? 私が受けるとでも? それに私が勝っても得が無いじゃない」
「ほう、勝負から逃げるんですかい? あの品行方正で気高き、我が学園の風紀委員長様が一般生徒に負けるのが怖いんですか?」
俺が零奈を煽るようにして言うと、零奈の眉毛がピクリと動く。
「……いいわ。その勝負受けて立つ!!」
「そうと決まれば話が早い」
「では私がセッティングしますね。お願いします!」
パチンッ!
翔太が指を鳴らすと上空にヘリが現れる。
そのヘリからロープで、サングラスをかけ黒服を着た翔太のボディーガードたちが降下してきて、対決するための場所のセッティングを始めた。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「さあ、始まりました!
「よろしく、お願いします」
「突如優斗選手が言い出した零奈風紀委員長とのわんこそば対決!! この勝負による二人のうち、どちらに勝利の女神は微笑むのか?!
それではまず、我らが風紀委員長の零奈選手から意気込みを聴いていきましょう! 零奈選手意気込みのほどをお願いします!」
「ふんっ、こんな無鉄砲でチンチクリンな問題児にこの私が負けるはず無いわ!」
「強気な意気込みを頂きました! それでは自由気ままな問題児の優斗選手による意気込みを聴こうと思います。優斗選手、意気込みのほどをお願いします!」
「誰が問題児だ! 誰が!」
「え〜、それでは優斗選手からの意気込みを貰えたことですし、早速始めましょう!」
優斗の話を無視して真奈美は話を進める。
「おい! 真奈美、まだ意気込みは終わって──」
「よ〜い、スタート!!」
ガーン!
屋上で対決開始のゴングが鳴り響く。
「さぁ、二人一斉にスタートしました!」
二人は、ほぼ同時にわんこそばに手を掛けて、食べ始める。
「まずは零奈選手から見ていきましょう! おおっと美しい、何て美しいんだ! 大食い対決とはいえ、早く食べることに集中しすぎずに作法を守り、美しくわんこそばを喉に流し込んでいく。そして、わんこそばが零奈選手に食べて欲しいと言わんばかりの勢いで吸い込まれていく様子はまるで、山の上流で流れるウォーターロードだあぁぁああ!! 解説の中井翔太さん、どうですか?」
「そうですね、真奈美さんの
零奈に対しての真奈美と翔太の評価はとても高かった。
「では続いて優斗選──ってえぇぇーー?!」
「こ、これは──」
そこで二人が見た光景とは──
「な、ななな、何ですかぁああ! あれは!」
「何という技術……」
何と優斗は、わんこそばを側に居る人にそばを入れて貰わず、自分で作った機械を使って物凄い勢いで食べていた。
そばだけに……
「──ッ!!」
「へっへん! 俺は絶対に負けないぞ〜、意地でも吐いてでも食ってやる。それが真のわんこそば王だ!」
そう言うと同時に機械のスピードが上がり、優斗の食べるスピードも早くなった。
「こ、これは物凄いスピードだ! 零奈選手を突き放していくー!」
「食べすぎて、お腹壊さないでよ優斗」
「大丈夫、大丈夫!」
──数分後
カンカンカーン!
終了のゴングが鳴り響く。
「試合終了!」
ゴングの音と共にわんこそば対決は終了。
「それでは、結果発表です!」
わんこそばを食べに食べまくった結果二人は、体が大きく膨れて立てない状態になっていた。
「結果はどうなったの?」
「ゲフッ」
「統計が取れました。それでは結果発表です。まず、零奈選手から──」
零奈と優斗、二人の間に緊張感が走る。
「零奈選手の結果は──なんと、38《そば》014杯! 歴代最高記録ではないでしょうか?!?! この結果を見てどう思いますか、解説の翔太さん!」
真奈美は翔太に話のバトンを渡す。
「そうですね〜、真奈美さんの言う通りこの記録は歴代最高ですね。ギネスチャンピオンを泣かせるほどの……」
「それでは、続きましてこの世で卑劣で卑怯な手を使い、零奈選手と並んでいることもおこがましい優斗選手の結果は──」
「おい、だれが卑劣で卑怯だと? ルールには書いてな──」
「な、ななな、何と優斗選手の結果は38021《まずい》杯!! 惜しくも、零奈選手は敗れてしまいました!! この卑怯者!!」
優斗の声をかき消しながら、大声で叫ぶ真奈美。
「お前はどっちの味方何だよ、真奈美!」
「もちろん、零奈選手」
「オイィィイイ!!」
とりあえず、零奈との勝負に勝った優斗は風紀委員長の零奈に何を命令するか考えて歩き出す。
「屈辱だわ、こんな卑怯者に負けるなんて……」
「へっ、勝ちは勝ちだ。さぁてどんな命令をしてやろうかな」
ピキンッ!
突然、優斗の動きが止まったの見た零奈は首を傾げた。
「どうしたのよ、止まちゃって」
「あの〜、ちょっと助けて貰えませんかね?」
顔を青白くしながら、零奈に助けを乞う。
「はっ? 何でよ」
「リミッターを解除して食べてたから、その反動が……このまま動き出すと、出ちまう……」
「へぇ〜、出ちゃうのね〜?」
零奈は腹を抱えてうずくまる優斗を見て、顔をニタニタさせながら近付く。
「お、おい。待て、止めろ! 待て待て待て待て待て待てー!!」
「そう、お腹が痛いの。なら治して上げるわ」
「そ、それは……助かるけど……今は……大丈夫だ」
零奈は優斗の目の前で止まる。
「歯を食い縛りなさい!!」
「ちょ、ちょちょちょちょ!!」
零奈は優斗に向けて武術の構えを取る。そして、優斗の腹を空に向けて突き上げた。
「うっ、オロロロロロロロロッーー!!」
零奈の拳による突き上げを引き金に、優斗は腹の中に溜まったわんこそば《ロケット燃料》が一気に地面に噴射され、垂直に飛び始める。
「オロロロロロロロロッ!!」
そのまま勢いは増していき、優斗の体は地面を離れ宇宙へと向う。
その後、優斗はわんこそば《ロケット燃料》が切れて、海に落ちたのであった。
55PV行きましたら、続き書きます。
更新!週間ランキング520位!自由気ままな優斗さん!(一時休止中) 小鳥遊 マロ @mophuline
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