第3話 登場するなら空からです

「優斗って凄いよね〜」

「何だよ、急に」


 学校の登校中に突然真奈美にそんなことを言われた。


「だってさあ、運動神経良いし、勉強出来るし、人付き合い出来るし、柔道や空手、ボクシング、剣道とかの武術が得意だから羨ましいよ」

「俺はただ普通に過ごしてるだけなんだけどな〜」


 真奈美は不満気に「むーん」と頬を膨らませる。


「あと、面倒ごとを色々と起こす!」

「それは、仕方ない。それが俺の生き方よ!」

「な〜に、開き直ってんのよ」


 ご機嫌ななめな真奈美と話していたら、すでに学校の校門まで来ていた。


「おはよう!」

「「おはようございまーす」」


 校門前にいるあいさつ担当の先生にあいさつをして中に入る。


「うん?」


 俺は上空から大きな音が鳴り響いているのに、気付き見上げる。


「な、何じゃありゃ?!」


 そこで見たのは三機のヘリが飛行している光景だった。

 すると、ヘリから一人の少年がパラシュートを付けて現れた。


「あっ、あいつは──」


 ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆


 「もう降下しても大丈夫ですかー?」


 少年はヘリのパイロットに聞くと、ヘリのパイロットは笑顔で手をグッジョブにして返事をする。


「では、降下します!!」


 そう言うと少年はヘリから空中に飛び出した。


「優斗、誰か飛び降りたわよ?!」

「真奈美そんなに慌てなくても大丈夫だよ。背中にはちゃんとパラシュートを付けてるんだし」


 俺は慌て気味の真奈美を落ち着かせる。


「うっひょおおおおお!! やっぱり、スカイダイビングは楽しくてたまらないですねーー!!」


 少年は少し興奮気味に言う。そのまま少年は無事に地上へ着地。

 それに続くように三機のヘリがグラウンドに着陸する。


「ここが西紀美野彗星にしきみのすいせい学園か〜」


 少年はゴーグルを上げて、学校を見上げながら言う。


〈ねぇ、あの人カッコよくない?〉

〈だよね! 超イケメンじゃん!〉


 その様子を見ていた女子生徒のほとんどが見惚みとれていた。


 ◇   ◆   ◇   ◆   ◇   ◆


 俺たちは、パラシュートで降りてきた少年と三機のヘリを見比べていた。

 するとグラウンドに着陸したヘリから、黒服にサングラスをかけた男たちが降りてきた。


翔太しょうた様、失礼します」


 ヘリから降りてきた黒服のうちのリーダーらしき人が声を掛けて、翔太と呼ばれた少年を手伝いを始める。


 ──約ニ分後


 制服に着替え終えた翔太はこちらを見て、歩み寄ってくる。

 そして──


「優斗、真奈美。久しぶり!」


 翔太は俺たちに気軽に話しかけてきた。


「おう、予定よりも早く着いたんだな。翔太」

「はい、お二人に会えるとなると気持ちが高ぶってしまいまして」

「ちょ、ちょっと待ってね。あなたはもしかして、私たちと昔遊んでたあの翔太なの?」


 真奈美は手で「待って」っとポーズを取りながら言う。


「真奈美、何を行ってるんだよ! 誰がどう見ても翔太だろ!」

「はい、正真正銘二人と昔遊んだ翔太です」

「…………ええぇぇぇぇ?!?!」


 真奈美は数秒沈黙をした後、ビックリして大声をだすのだった。

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