第4話

 ソイツ程ではないが、ヤツとキミとの音楽は科学反応を起こした。

 2人との相性は良かった。だけど、ソイツと違い、痺れるような感じはなかった。それでも、デビューシングルはそこそこ売り上げた。

 半年後、セカンドシングルを挟んでファーストフルアルバムを出す。

 売り上げは及第点以上だった。

 その後、矢継ぎ早に7枚のシングルを出し、良いかんじの売り上げを上げる。しかし、満を持して発売したセカンドフルアルバムが、大爆死する。

 それから1年後、シングルではなく、フルアルバムでの3部作を制作する。

 その3部作は、1シーズンごとに別けて発表した。

 が、これも大爆死になった。

 僕は曲を作るのが、苦になる。楽しくない。ソイツとやっていた頃は楽しかったはずなのに。

 でもそれを僕自身の手で壊した。壊れる前に。

 また、ソイツとやりたいと考えるようになっていた。

 そこで、僕はどうしたら分からず、そのことを2人に相談して見るのだった。

 そうしたら、2人は「好きにしたらいい。俺たちは充分楽しんだ。途中から売り上げは散々だったけどな」と言って、僕を送り出してくれた。

 こうして、スリーピースバンドは終わった。


 僕にとって、ヤツとキミは、運命ではなかった。


終わり

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