第7話 泡沫フクロウカフェの転生
こうして生まれ変わった新しい店を紹介しようと思う。入店してすぐに見えるのは、新たに設置された壁面の棚と中央のテーブル。その上にはオーナーである岡崎さんの趣味によって仕入れられた珍品の数々が並べられている。やたらとこだわって用意されたガラスショーケースには比較的まともな万年筆と仕入れ単価を疑いたくなる値段ガラスペンがある。中央のテーブルと壁面の棚にはいよいよぱっと見では用途の分からない謎文房具たちが列をなしている。さらにブッコローお気に入りの補助輪付きのボールペンなどは彼に度々誘拐されているようで商品棚から姿を消すこともある。またぬいぐるみや、たけぇ紙。でかい消しゴムなどいっぱいある。そして極め付けは何かによって使い慣らされたかまぼこ板である。なんとこれがこの店の売れ筋商品の一つである。一部界隈からの熱い支持があるらしく、適度に丸みのついたその板を熱く語る岡崎さんの姿が見られるという。
そしてそこから店内奥のブースに進むとそこが、バードカフェになっている。鳥スタッフは前述の通りブッコローとトリに二羽である。彼らはとても賢く、自ら餌を用意し、体を洗い、掃除もします。とても清潔です。臭くありません。羽も落ちません。なんならブッコローはしゃべりでお客さんの相手もできます。完璧です。
これが謎の鳥類+αと謎の文房具、謎のオーナーと普通の大学生が共存するカオスな空間が出来上がった。新装開店を機にうちの看板娘と化した坂城さんの人気もなかなかのものである。そしてこのカオス具合が周辺の大学生にウケたことをきっかけに比較的に安定した収益を上げることができているらしい。かく言う俺は、文房具のことは岡崎さんが対応するし、バードカフェの方は今日面接する新人さんが対応するので、レジ係という名のカウンターの住人にジョブチェンジしたのだった。
「おはようございます。遅れてしまってすいません」
「大丈夫ですよ。まだ少し早いくらい。じゃあ早速面接を始めます。本日はよろしくお願いします」
「よろしくお願いします。次山さん」
泡沫フクロウ(ミミズク)カフェの再建 @kumori_tenki
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