最終話 【ASMR】ありがと&またね!

   SE 南房総の海、その波音。

   #ゆったりとした波音が次第に弱まっていく。


日由美

「……ん。……んんーー……。」

「……んあ……寝ちゃってた……?」

「もー……、湯者くん、起きてたんなら起こしてよ~。」


「わたしだけ寝顔見られたの、ずるい~。今度はぁ、絶対わたしが湯者くんの寝顔見るんだから~。」

「……ん~? でも、湯者くんもちょっとぼんやりしてる~?」

「リラックス……できたのかな?」


「へへ。だったら嬉しいなぁ。」

「お互いぼんやりして、お揃いだね。」


「ねえ、湯者くん。」

「今日は来てくれてありがとね。」

「少しはお礼になったかなぁ?」


「わたしはね、今書いてる小説の話もできたし、すっごく楽しかった!」

「インスピレーションも爆上がりしたしね!」

「これも全部、湯者くんが恋人役に付き合ってくれたからだよ……ありがと!」


「……あ、あの、もしまたこういうことがあったらさ、またお願いすると思うけど、その時はよろしくね? 恋人役……。」

「もちろん、その前に今日のお話を書き上げないとね!」


   #日由美、あえて元気に。


日由美

「じゃあ、わたし達の恋人ごっこもこれで終わりかな~!」

「ん~? 寂しい? 寂しいんなら素直に言いなよー! わたしは別に何ともないけどさー!」

「えへへ! なんてね。ウソ。」


「恋人役なんて、君にしか頼めないんだから! そこんところ、よぉくわかっておいてよ~!?」

「だって、湯者くんは、わたしにとっての友達で、パートナーで、相棒で、相談相手で、それで……掛け替えのない人なんだって、今日改めてわかっちゃったもん。」


「だからさ、わたしは素直に言うよ。」

「これて終わりにするの、寂しいな、って。」

「ふふ……。でも、これでお別れってわけじゃないし、いつでも会えるし、寂しがってばかりもいられないよね!」


「海の音。本の香り。」

「そのふたつを感じたら、わたしのことを思い出して。」

「わたしは、いつでもここで君を待ってるよ!」


「まだまだ始まったばかりの、わたしたちの物語……これから、もっともっと面白くしていこう!」

「ふたりで一緒に、ね?」



《おしまい》


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『ASMRボイスドラマ 温泉むすめ 南房総日由美とあなたのあまあま小説』(CV・徳井青空)

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【台本】ASMRボイスドラマ 温泉むすめ 南房総日由美とあなたのあまあま小説 山崎亮(エンバウンド)/ミミクル @mimicle_official

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