第7話 白い影

※※※※※※※※※※※※※※※


腕枕の中で目が覚めた。


薄闇の中。

彼の寝息が聞こえる。


温もりが嬉しい。


恐怖と。

寂しさで。


ずっと、凍えていたから。


フッと、口元が綻んだ。

そう、その時。


白い影が見えたのです。


そう、あの女が立っていました。

唇が大きくゆっくりと動き、想いを伝えようとしている。


(あ・り・が・と・う・・・)

私にはそう、見えた。


心の中でホッとタメ息をついた。


(どういたしまして・・・)

声に出さずに呟いた。


白い影が薄くなっていく。

私は幸せに包まれながら眠りに落ちていこうとしていた。


だけど。

最後に見た女の唇の動きが。


私に再び悪夢を見せる予感がしたのは、気のせいだろうか。


(お・な・じ・・・だ・よ・・・)

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闇の中のつぶやき 進藤 進 @0035toto

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