第15話 ドウテイってなんなんだ?

 その銀髪の美少女吸血鬼が背中の日傘を抜き取り、パッと俺に向かって広げると、ダークエルフにもらった剣がこう言ったのだ。


「ご主人様! あの傘を見てはいけません! たぶんきっとあの女のにかかってしまいますから!」


 それに対して俺はこう返した。


「えっ? いやらしい幻術? ・・・・・・でも、そうだとしてもあれで攻撃してくるかもしれないんだから見ないわけにはいかないだろ?」


 本当はそのいやらしい幻術とやらに少しかかってみたいと思ってしまっていたのだが、もちろんそんなことを言えるはずがない。


 すると、アリシアがこう俺に言ってきたのだ。


「ケンゾー、さっきから君はボクに向かって話してるのか? 確かにあの傘みたいなのは怪しいな! なるべく見ないようにするのが正解かもしれない。でも、相手を見ないと攻撃もできないからなぁ。どうしたものか?」


 どうやらアリシアにはダークエルフにもらった剣の声は全く聞こえていないみたいだった。


 ということは、俺は同時に2人(?)と会話しなければいけないということか? 


 これはちょっとしたマルチタスクだ。


「ご主人様! わたくしめがご主人様の目となりますから、わたくしめを信用して目を瞑った状態で攻撃してください! なんとなくわたくしめの太刀筋たちすじはあの女にすでに読まれているような気がするので、わたくしめを使ってご主人様があの女の首を狙ってくださいませ!」


 ダークエルフのその言葉に、


「わかった! やってみるよ!」


 と答えると、


「ケンゾー? 何をやってみるんだ? さっきから君の話はよくわからないぞ!」


 とアリシアに言われてしまう。


 なので俺は仕方なくこう言ったのだ。


「実は、俺は目を瞑っていても相手の動きがある程度把握できるんだ! だから目を瞑ってあいつに攻撃しようと思う!」


 すると、ここでずっと黙って日傘をぐるぐる回していたらしい銀髪の美少女吸血鬼がこう言ったのだ。


「なんでも言いけど、無視するのだけはやめてくれない? 悲しくなるから! ・・・・・・攻撃してこないならこっちから行っちゃうよ! 童貞 洟垂はなたれ小僧!」


 あっ、また童貞って言いやがった!


 俺がそう思ってカッとなっていると、アリシアがこう言ったのだ。


「ケンゾー、あいつがさっきから言っているドウテイってなんなんだ?」



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【悲報】異世界転移して食人植物に喰われそうになってたピンクサキュバスとダークエルフを助けたらムフフなサキュバス宿とエルフ宿の永久無料カードをもらえたのだが、なんか異世界中のドエロから命を狙われている。 新田竜 @ragiz

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