第2話
人には大なり小なりどこかしらイカレテルところがある。
それが例えば変態性であったり、理性の欠如であったり多岐に及ぶ。
かくいう私も人とは違う自覚がある。
それは殺人衝動が人よりも強いことだ。
多分普通の人でも一度くらいは人を見て、残酷な妄想をしたことがあるのではないだろうか。
もちろん普通の人は実際に人を殺してみることはしないとは思うが、実際に行動に移そうとしてしまうところまで行く。
まあ言ってしまえばサイコパスに近いものだ。
ただ、その衝動のままに人を殺すのは倫理的にも法的にも許されない。
それに家族や周りに心配をかけたくなかった。
そのため私はいつからか理性を人一倍強く保ち、その衝動を抑えてきた。
ただ何事にも限界というものはあるもので、成長に比例するかの如く精神的疲労も大きくなってきた。
どうにかできないものかと、格闘技を始めてみたりもしたが危うく一線を越えそうになり、やめてしまった。
そんなときに出会ったのが『ゲーム』だった。
ゲームだったらいくら敵を倒したところで現実で死ぬわけではないので、もちろん犯罪になることもない。
私は初めて自分の衝動を開放することができ、ある種の快感を覚えた。
そこからはゲームにのめりこむとともにストレスを発散させていった。
それからしばらくの時を経て、私が中学1年の時にフルダイブ型VRが発売された。
私はそのリアルな感覚を体験できるといううたい文句に惹かれフルダイブ型VRを購入した。
私はそれから数々のフルダイブ型VRゲームをプレイした。
私はゲームにストレス発散の価値を見出していたので、圧倒的熱量で数々のゲームタイトルでトップランカーにまで上り詰めた。
ただそれでも、真に私の衝動を満足させるものはなかった。
私は何か物足りなさを感じ、次第にゲームをストレス発散装置としてとらえるようになった。
高校二年となった今でもゲームを楽しむことはなく、あいもかわらず精神安定のための薬のようなものとしてとらえていた。
そんな私の前に現れたのはNLOだった。
いつものごとく物足りなさを感じるだろうと予想しつつも、興味本位で購入した。
そしてそれが私に転機をもたらすとはその時は考えもしなかった。
Virtualの殺人鬼 KBANPS @kbanps
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。Virtualの殺人鬼の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます