概要
ブッコローを愛するすべての人たちへ…
春の世の夢 下村りょう
ブッコロー、好きだよ。なにを? きみのことだよ! チャネルでもなく、お前。
ほら、振り返ってご覧。ミミズっぽいでっけー枝!
ぼくはきみが大好きなんだ。——うそじゃない。ほんとだ。文房具王になり損ねた女性の次に好きなんだ。
だけど、それだけさ。
ブッコローはねぼすけだ。その顔には何の表情も浮かんでいなかった。
ぼくらは黙って歩く。
ぼくらは葦だ。弱くて、細くて、風に吹かれて靡いてる。人間が考える葦なら、ブッコローは考えるミミズクなの? ううん、きっとオピストコンタだよ。
——きみのことをこんなにも考えてしまうなら、いっそ草花に生まれたかった。ブッコローの吐く息と甲高い声に身を揺らして、でも、きみのことは考えない。いつか大空に旅立つことを夢見る
ブッコロー、好きだよ。なにを? きみのことだよ! チャネルでもなく、お前。
ほら、振り返ってご覧。ミミズっぽいでっけー枝!
ぼくはきみが大好きなんだ。——うそじゃない。ほんとだ。文房具王になり損ねた女性の次に好きなんだ。
だけど、それだけさ。
ブッコローはねぼすけだ。その顔には何の表情も浮かんでいなかった。
ぼくらは黙って歩く。
ぼくらは葦だ。弱くて、細くて、風に吹かれて靡いてる。人間が考える葦なら、ブッコローは考えるミミズクなの? ううん、きっとオピストコンタだよ。
——きみのことをこんなにも考えてしまうなら、いっそ草花に生まれたかった。ブッコローの吐く息と甲高い声に身を揺らして、でも、きみのことは考えない。いつか大空に旅立つことを夢見る
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?