4話 壁はいつか、どこかに必ずある
少女を背負った方の娘が
「おい、3番出入り口に居るのは何人だ」
と雑な口調で情報を求める
出口に近づき、待ち構える者の詳細を聞く
少し雑な言い方が気に入らなかったのか
「せめて二つ名があるんだからそれで呼んでくれない?、番号で呼ばれるの嫌なの」
と不満を口にする
機嫌を取る様に再び聞き直す
「コードネーム未地、出入り口の敵の詳細を教えてくれ」
コードネーム未地、
特異扱器使用資格2番及び3番、
実戦支援型の運用可能者
能力は後に起こる事象の知覚
二つ名の由縁はその地にに起きる事全てを知っているからだ
少し前に任務で組んだ時とは別人の様に
騒がしくなったがやはり根本は変わらないようでちゃんと聞けば周りの事はなんでも教えてくれる
「出口正面に2人、左右に4人ずついる、
遠距離4人、近接は3人、あとは支援、
一番強いのは正面の近接型のはず」
かなり詳しく教えてくれたはいいがまともに戦うつもりは無い
「ありがとう、しっかり捕まってて」
そう言うと背中に背負われた少女は満足そうに抱きつく様なかたちでしがみつく、
少女は出口から少し踏み込んだ瞬間、
刀の刃が煌めき、水を噴射して空を舞った。
「さあ、鬼ごっこの時間だ」
彼女達は待ち構えた武装集団の上を通り過ぎて町へ入っていく
雨の魔女の水鏡 さけ @sake1728
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