僕はこの作者様の小説は、これが初見になります。
そして見事にやられました。
少しだけ説明するなら、これはミステリー。僕はミステリーにそこまで造詣は深くない。古典としてコナン・ドイルやアガサ・クリスティ―、それと日本人作家を少々。ミステリーの基本はトリックと思われがちだが実はそうではない。
ミステリーの基本は人物造形にあります。いかに読者の気を引くか、しいては混乱させるか、これが出来ねばトリックの意味はない。そして可能ならハードボイルドは文章を短くする、小気味よく語る。これも大事。
この作品はそういう基本がしっかり出来ている上に、見事な構成で物語を進めます。そもそも最初から面白い。プロローグでもない「——」、ここから僕はいきなりコメント書きたくなりました。
ミステリーと聞き、「ちょっと……」と苦手な方もおられるかもしれない。しかし、上・中・下巻もある大作じゃない。自分の見聞を広めると思ってお読みになられる事をご提案させて頂きます。
そして、きっと最後に納得してもらえると、僕は信じております。
是非一読されて見て下さい。
お勧めさせて頂きます。