国の運命なんて、そんなの知りません。それより金貨と自由が大事です!

貧民窟という劣悪な環境で生まれ育ってきたシャオロン。しかし彼女は、ある時育ての親であるヘンスによって、貧民窟よりも遥かに綺麗で立派な王都へと売られてしまいます。

そこでシャオロンに与えられた役目は、国の代表として儀式に参加し、他の儀式の参加者達と競い合い、勝利をおさめるというもの。それにより、この国が得られる水の量が決まり、結果が良ければ国全体が豊かになるのです。

しかしそんなことを言われても、シャオロンにしてみれば知ったことではありません。元々過酷な貧民窟育ち。王都の人たちの事情なんて知りませんし、知ったところでならやろうと思えるものでもありません。
報酬である金貨を提示され、なんとかやる気は出しますが、他の面々とは、やる気も志も違います。

しかしそんなでも、儀式が始まってしまえばやるしかありません。
なぜ自分がこんなものに選ばれたのか、そもそもどこで自分の存在を知ったのか、疑問はつきませんが、それを気にしてばかりいては、肝心の儀式で勝つどころか、生き残ることだって難しいかも。それくらい、この儀式は過酷なことをやらされるのです。

自分が生きるだけで精一杯だった少女が、国の将来を左右する戦いに挑む。
相当な無茶であり、プレッシャーも物凄いですが、儀式が始まった以上後戻りはできません。
勝つことができるのか、そして勝った先に、先の疑問への答えが待っているのでしょうか?

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