第6話 一人でホームパーティー?そして・・・

「…はあぁ~…フラれた…」




私は大きいため息を吐き、一人、部屋で、飲みまくる。


缶ビール。


缶チューハイ…等


お酒や、おつまみを買いまくり、一人部屋で飲み放題、食べ放題中


良い感じに仲良くしていた人に告白するもフラれた。


実は彼女がいたという飛んでもない仕打ち。


出かける事もあったりして、仲良くしていたんだけど、好意なんて一切なかったという、思わせぶりな態度をしていた事に腹が立つ。


期待するだけ無駄だったようだ。





「…私…やっぱ…男運ないな……」



顔を横に向けるように伏せる。



チャラ


ネックレスが揺れる。



「…彼…夢…叶ったのかな…?今…何…してるんだろう?」




ふと脳裏に過る。


そんな中、再び缶を開けようと手探りで見ずに探す。




「あれ…?お酒……ない…?」



バッと顔をあげる。



「ないっ!」



私はフラフラとフラつく体を支えながらコンビニへ行こうと部屋を出る。




ガチャ



「………………」





「優奈やん。どないしたん?」

「Hiroto」


偶然に鉢合わせとなり、どうやら彼は外から帰って来たと思われる。



「…酒臭っ…!酔っ払いっ!」

「うるさいっ!フラれたから一人で飲んでいるんです!」

「フラフラ、フラれっぱなし。ついでに足もフラフラってな!」


「あー、そうですよ!どうせ私はフラフラのフラれっぱなしですーーーっ!ふんっ!どいてっ!」




グイッ

私の腕を掴む。



「飲み過ぎや!」

「放っておいて!コンビニ行くから」

「そんな状態で危険過ぎるわ!」

「大丈夫だし!」


「アカン!変な輩に拉致られる!」

「酔っ払い相手するわけないじゃん!」

「アホ!酔っ払いやから危険過ぎるんや!」

「一層の事、傷付いた方がいいよ…」


「いやいや、アカンやろ?恋愛は楽しまな!」


「だったら、あんたが教えてよ!男運のない私に!まあ、芸能人だから一般人の私なんかよりも同じ業界に限るよね?さーて、お酒、お酒!」


「俺が買ってくるから大人しくしてろ!」



ドキッ



「結構です!」

「良いからっ!」



グイッと再び引き止められ、部屋に押し込むように入れる。



「部屋から1歩も出るな!いいな!出たら、どうなるか…」



そう言うと出かけるHiroto。




しばらくして────




ピンポーン


インターホンが部屋中に鳴り響く。



「宅配便でーす」

「えっ!?宅配便!?こんな時間に!?」



私は玄関先へと向かうと、ドアを開ける。



「………………」




荷台に載せられた段ボールの数。



「何…これ…」

「お荷物ですが?」

「荷物って…」

「お酒、おつまみ等、手当たり次第買って来ましたが?」

「いやいや…手当たり次第とかって…」



「ほら!どけよ!これだけあれば十分やろ?足りへんなら、また出張したるわ!せやけど、出張代と買い出し代は後で請求したるからな!」


「請求…って…つーか…ローンでも組まなきゃ返済出来ないじゃん!」


「ほな、後で契約書頼むわ!」


「はあぁっ!?」




そして─────




「つーか、薪屋 洋渡!」

「何だよ!」

「あんたまで飲むなら駄目じゃん!」


「ノンアル(ノンアルコール)だし!酔っ払いの話し相手してるから一応飲んだ気分味わっとかな~」


「いや…だったら普通に飲めば良いじゃん!」

「買い出しは誰が行くんだよ!」


「それは…つーか、この際飲んでストレス発散しちゃえば?2度とない事だよ」


「お酒入ったら危険がいっぱいだけど?」

「えっ?」



グイッと引き寄せられる。



ドキッ



「それでも、お前は俺にお酒を飲ませる?」

「…それは…」



スッと離れる Hiroto。



「なあ」

「何?」

「お前…いつになったら幸せなれるんだろうな?」

「えっ?何?急に」

「ネックレス」

「えっ?」



私の隣に腰をおろす。



ドキッ


何故か胸が大きく高鳴る。




私の首元に触れ、ネックレスを取り出した。




「大事そうにしてるけど、好きなやつからでももらった?」

「違うよ…これは貰い物って言ったじゃん!」


「…あんたに幸せがくるように…」




ドキッ



「…えっ…?」



私の片手を手に取る。



チャラ



ドキン



「…これ…えっ…?…待って…どうして Hiroto が持ってるの?」


「…優奈と俺しか知らない事だろう?…そうだとしたら、つじつま合うだろう?分からないなら馬鹿だ!」


「なっ…!」


「頭、整理しろ!」



スッと離れる。



「つーか、酔っ払いの脳みそじゃ頭働かんわな」


「働きます!」




私が失恋して

ストリートライブしてる男の人に渡したブレスレット。


その彼から貰ったのはネックレスだ。



「………………」



同一人物?



私は、Hirotoを見つめる。




「何やねん!」

「いつから?」

「何が?」

「知ってたんだよね?」


「お前が部屋を間違った日やな?部屋を出るな!って時あった日。俺、お前がいるのマジビビったし。不法侵入と思ったのは事実だ」



「………………」



「一応、ブレスレットは返しておくわ!今の俺には必要ない」

「だったら…私も返し…」

「お前が幸せになれたら返して!それ条件」

「…そんなの…」



「………………」




「…じゃあ、俺と幸せになるか?」



ドキッ



「えっ?」

「なんてな」

「Hirotoも薪屋洋渡も謎だらけだし!」

「両方知ってる、お前は…特権だな?」

「…それは…でも…全部が全部知らないし!」

「知りたいの?」


「別に!第一、Hirotoは人気あるし、薪屋洋渡は、Hirotoであって…結局は同一人物だから…」


「…ほんなら、俺が幸せにしたろか?」



ドキッ



「幸せにって…バツイチがいう台詞?」

「…バツイチ…あれはな業界の俺を作ってんねん」

「えっ!?」

「実際、バツイチなんていうのはデマやで?」

「デ、デマ!?」

「世間や業界の中では、バツイチ俳優。そうなってんねん」



「…嘘…」

「ホンマや」

「特等席空いてるで!」

「特等席って…」

「ちゅーかな…実は理由あってんやんか」

「えっ?理由?」


「せや」

「…何?」

「ある日の夜…ある女性が失恋したんやて」

「うん」

「偶々やってんけど、その子と一夜限りの関係持ってんやんか」

「うん」



《ん…?一夜限りの…関係…?》



「その後、また、その子と再会してんけど、お互い知らないふりしてん。そうしたら、また、再会したかと思うたら、男にフラれたんやて。その子、俺の部屋に不法侵入してたんや」




《不法…侵入…》

《つーか…思い当たる節が…つまりそれって…私だよね》



「ねえっ!ちょっと!」

「何やねん」

「一体何が言いたいの?」

「何が?」

「つまりそれって私?だよね?私が何?」


「…お前が俺の廻りをチョロチョロするから」

「それが何?」


「…俺は、お前の涙は見とーないから、俺が幸せにする言うてんねん!」




ドキッ



「…えっ…?…ちょっと待って…ん?つまりどういう事?」

「そのまんまやろ?」



「………………」



「男にフラれる度に、泣かれても困る!それやったら俺が…」

「…Hiroto…」



「誰も寄らんようにすれば何かあった時は俺が傍にいられる。せやから俺との事考えてくれへん?」




まさかの意外な人からの告白。




「Hiroto…」

「今すぐとは言わへんから、ゆっくりでええねん」

「…それは…」

「気持ちに嘘はあらへんから」

「…うん…」



それから私はゆっくりと付き合ってみる事にした。


秘密の交際。


私達は普段と変わらない日々を送っていた。


だけど、彼の存在は何処か大きく

心の奥に気持ちも隠れていたのかもしれない────



今度出逢う時は…幸せであるように……


私はあなたに出逢えた事で


既に幸せを掴んでいたのかもしれない───








~ THE END ~





ご愛読ありがとうございました♪


皆様にも幸せが訪れますように─────










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今度出逢う時は・・・ ハル @haru4649

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