第5話 今日だけ・・・

「キャー、キャー」

「Hirotoーーーっ!」

「こっち向いてーーーっ!」




騒々しい街中。


どうやら街で


Hiroto が出演する何かのイベントが


あってるようだ。





「…Hiroto…か…相変わらず…つーか… Hirotoって嘘で染められた人間だよね…」





その日の夜 ─────



玄関の鍵が開き、ドアが開くと同時に人が倒れたような音が部屋中に聞こえた。



ビクッ



「……!!」



私は凄い音に驚き玄関先に向かう。




「Hirotoぉっ!?何して……大丈夫?」

「あれ…?なんで…お前、また人の部屋……」

「いや、違うから!間違ってるのは、Hiroto、あんただから」

「俺…?嘘やん!」

「本当です!ほら!分かったら自分の部屋に移動…」



そんな私の声に耳を傾ける事なく部屋にあがり奥に入っていく。



「ちょ、ちょっと!Hiro…」



ドンッと私は、Hirotoの背中にぶつかる。



「痛っ!ちょっと!急に止ま…」





ドンッ



壁に片手を置くと、行く道を塞ぐ。



「な、何…?」



グイッと私の手を掴みベッドの方に連れて行くと、再びベッドにグイッと引っ張られドサッと勢いで一緒に倒れ込み、抱きしめられた。



ドキッ



「ちょ、ちょっと!離…」

「今日だけ…泊めて…」



甘えるように言ってくる Hiroto。



「えっ?何…言っ…」

「…戻る気ねーんだよ…!」




ドキッ




「………………」




薪屋 洋渡の、お出ましだ。


コイツ…もとい、彼が隣人と分かってから、お互いの部屋を行ったり来たりしている。


業界の彼と、業界ではない2人を知っている私だけど……



「つーか…面倒…」



その後、すぐに彼は、スーと寝息をたて、スヤスヤと眠った。



「…えっ?早っ!」



「………………」



そんな私も、いつの間にか眠っていた。





朝─────





「あれ…?俺…」



私より先に目を覚ますHiroto。



「そうか…昨日…俺…」



そんな私の寝顔にキスをした。





「…ん…」




目を覚ます目の前には、至近距離にある薪屋 洋渡の顔。




「ちょ、ちょっと!何!?寝込み襲うな!」

「襲ってねーし!」

「馬鹿!スケベっ!キスするなっ!」

「減るもんじゃねーだろう?」

「減るよ!減る!」


「Hした仲じゃん!」

「それとこれとは関係ないから!」

「一緒だろ?」

「一緒じゃない!女=Hの考えは辞めて!」


「いやいや…!そんなつもりねーし」

「そんなつもりある!」




「………………」




「じゃあ、お目覚めのキス!」

「いやいや!カップルじゃないから!」

「じゃあ、お礼のキス!」


「…それは…いや!駄目!駄目!ていうか!帰れ!朝だよ!朝!外泊の時間終わり!」




ドンッ


私は押し退けた。




グイッと私の手を掴み押さえると、私に体重をかける。




再びキスをされ首筋に唇が這う。




「…ちょ、辞め…」



スッと離れる。



「帰ろ!じゃあな!優奈」




そう言うと私の部屋を後に帰って行くのだった。










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