world_type
TMTacos
第1話entity_type:tacos
「おやすみ!また明日学校で」
スタンプとともにメッセージを送ったところまでは覚えてる。
誰に対して送ったのか。
自分という存在は何だったのか。
今寝ているのか起きているのか。
それすらもわからないでいる。
でも薄れゆく意識の中でこれだけははっきり聞こえたんだ。
「entity_type:tacos が参加しました。」
ぼんやりとした白い霧の中を進んでいくと何かが見えてきた。
一匹の猫だった。みかん箱を頭にかぶった。
その猫は外見から予想していたよりも低い声でこういった。
「悪いんだけどここはどこなんだ。」
この猫は言葉を喋るのかと驚きながら私は答えた。
「わからない。ここがどこかも、自分が誰かも。」
「名前を聞いてもいいか。」
そう猫に問た。
「名前はまだない。」
猫はうまいことを言ってやったぞ。みたいな顔でそう答えた。
「変な場所に来ちまったよ。謎のタコスにも出会っちまうしな。」
「タコス?」
「あんたの見た目だよ。いかにもタコスって見た目してら。」
「そういう君も、、、」
「猫だろ?わかってる。しっぽと耳を確認できた。俺は多分猫だ。」
そうしばらく互いの見た目について議論していたらあのフレーズを思い出した。
「そういえばここに来てすぐかな?こんな言葉を聞いたよ。確かエンティなんとかタコスが参加しましたって」
「それは俺も聞いた。だが俺のときはキャットボックスが参加しましたって言ってたかな。」
「キャットボックス、、、なるほど、、、」
その時だった。霧が少し晴れて遠くに数字が見えた。
2/5
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