第2話 進路

親に勧められた高校に受かった。


行きたい高校があった。

けれど、母親は就職が安泰な学校を必死に調べて「この学校に行った方がいいと思うの。あなたに合ってる。」と、毎日洗脳してくる。


反論なんてできなかった。

しようもんなら怒号が飛んでくる。

また自分が嫌になるだけだと思った。


もう高校なんてどこでもいいと思った。




しかし、記念受験で受けたはずなのにその高校に受かってしまった。

定員が割れていたのだろうか。


両親が笑顔になる。親戚が笑顔になる。塾の先生が笑顔になる。

一時的な快楽を感じた。心に沼を抱えているのに。


行きたくないと言えるわけもなく、その高校に行くことになった。


もうどうでもいい。

自分なんて誰も認めてくれない。

そう思った。



また心の沼が深くなっていくのを感じた。

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Vol.27 何処 環 @izukotamaki

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