第一話からしてもう引き込まれてしまった。極限まで圧縮された一つ一つの文字の中に、針を手にしてこちらをじろじろ眺める誰かが影を落としている。 思わず指先でつついてしまいそうだ。 必読本作。
何気ない日常生活の合間に見え隠れする怪異。文明が発達し、照明の光が夜闇を照らすようになった現在ですら「彼等」を完全に締め出すことなど出来やしないのです。なぜなら、いかに文明の利器であろうとも心の闇を照らす事など不可能なのだから。一話完結の短編集でサクサク読めてお手軽に恐怖を楽しめるのがウリ。日常の描写がさりげなく、思いがけない方向からせめてきます。短いながらも工夫のある作品ばかりだと感じました。ホラー好きであれば、是非!