眼鏡と初恋
山田貴文
眼鏡と初恋
自分がたまたま男女それぞれと知り合いであり、その一方からもう一方への間を取り持って欲しいと依頼されることがある。
高校生の時、中学が同じだった女の子に頼まれた。相手は同じクラスの男。親友ではないが、私とはそこそこの友だちだった。さっそく彼に話してみた。
「あの眼鏡をかけた子だよね?悪い。俺、眼鏡の子あんまり好きじゃなくて」
残念ながら全く興味無しとのこと。自分だって眼鏡かけているくせに。
時は流れた。大学生になってからしばらくたった、ある日。彼から電話がかかってきた。
「町で見かけたけど、見違えたよ。眼鏡をはずしてコンタクトにしたらしくて、めっちゃ美人なんだ。彼女、まだ俺に関心あるかな?」
自分がふった女の子と仲良くなりたいと。なんて虫のいいやつだと思いつつ彼女に聞いてみたら、答えはノーだった。
眼鏡姿の彼は格好良かったが、はずした姿はたいしたことなかった。だから、もういいと。
彼も眼鏡からコンタクトに変えていたのだ。
眼鏡と初恋 山田貴文 @Moonlightsy358
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