天井にいた蜘蛛がうまく捕獲できた便利グッズ

葉っぱちゃん

第1話

さてさて皆さん、葉っぱ婆さん(私のこと)の小学生時代というと、戦後ということになるんだわ。


日本が戦争に負けてね、全てがごった返しというような状況だった。


市場のお惣菜屋なんか、ハエがいっぱい旋回していてね、天井からハエ取り紙が何本もぶら下がっていて、そこにハエがいっぱいくっついて、モガモガ動いていたりしたんだわ。そんな環境で育ったから、虫は平気さ。ゴキブリも平気さ。蜘蛛(くも)もね。


ところがだよ、オッホン! オッホンは余計か、それから、60年も経って孫の代になると、ゴキブリでも見ようものなら、


「キャァー、ばあ、はよはよ来て!どうかして!」と、大騒ぎ。

これがまあなんと男の子だよ。


なんじゃい、こんな時だけ呼ぶのかよと、思いつつ、婆さんは、シューと、殺虫剤を吹きかける。


だが、世の中よくできたもの。孫も一計を案じたのか、虫取りグッズをネットで買っていたんだ。


それはな、マジックハンドのようなものだよ。長い柄が付いていて、先がチューリップのようになってて、手元で操作すると、開いたり閉じたりするのさ。


この間、天井に蜘蛛が這っていたのさ。「キャー、蜘蛛がいる」と騒ぐので、葉っぱ婆さんは、家には座敷箒がないし、椅子に登らなければ手は届かないし、椅子に上がるのは、ちと危険なのさ、年齢的に、と、困っていたら、孫が虫捕獲グッズを出してきたのさ。こんなもの初めて見た。でもよく出来てる。易々と蜘蛛を挟んで、そのまま外に放してやったよ。殺さないで生きたまま逃してやれたし、めでたしめでたしだった。


よくそんなグッズ見つけたね。

必要は、発見の母か🤱

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天井にいた蜘蛛がうまく捕獲できた便利グッズ 葉っぱちゃん @bluebird114

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