第71話海戦
ああ、なんてことだ。
ヨーロッパ連合艦隊が押し寄せてきたぞ。
その原因も分からくもない。
インド、インドネシア、ベトナム、タイ、ミャンマーなどからの輸入品がストップ。
深刻なのが綿や紅茶や香辛料など全てが輸入品されない。
「紅茶の輸入がストップしただと・・・なぜだ。今はブームになってる主力商品なんだぞ。これでは、今までの苦労はなんなんだ」
「原因はインド周辺の国々が紅茶を飲むようになったのが、原因に違いありません」
「商売の元に手を出したのか、何を考えているのだ。それで商売が成り立つのか・・・」
「色々な商品の売値が上がり、ふところが裕福になって我々の真似をしてるようです」
「それだけではありません。綿はアラブ諸国で買われて高級な布に変わっています。今の市場を支配してるシルクに似た布もアラブ産です。それに頑丈なデニム生地も若者に人気が出ているようで・・・女性がはくストッキングもアラブからの輸入です」
男は輸入帳簿をめくって、ワナワナと震えだす。
「これでは我が国は、赤字ではないか・・・政府が乗り出してくるぞ」
イギリス帝国は激怒。
貿易で黒字経営だと思っていた貿易が赤字へて転落。
それがアラブやインドを中心に流行ってる新興宗教が原因と知って、怒りが爆発。
「なんだ・・・その宗教は・・・」
「三言教と言う日本から入った宗教だと・・・この宗教が現地人を惑わして、貿易赤字を引き起こしたと推測しております。なんでもアラブの産業革命は三言教が広めたものだと・・・それに医療の発展も凄いと聞いております」
「医療の発展だと・・・何が凄いのだ」
「ペニシリンと言う薬で梅毒に犯された人間を治したとか・・・腹を切り分けて外科手術なる医療をしてるとか・・・」
「ペニシリン・・・聞いた事もない薬だな・・・それに腹を切り分けるだと、それでは死んでしまうではないか・・・嘘も休み休み言え」
「そう思って手術を受けた者を連れて来てます」
その男は船乗りで着ていた服を脱いだ。
腹にはクッキリと切った傷跡が残っていた。
どう考えても生きられる傷ではない。
男の証言は、不思議なものだった。
一瞬で眠らされて、目が覚め時には手術は終わっている。
男の病名は初期の肺ガンであった。
「肺ガンだと・・・肺ガンとはなんだ」
「ガンに犯された細胞が増えて死にいたる病気だとうです」
「細胞とは・・・何だ」
「え!知りませんか・・・生物の構造上・機能上の基本単位のことです。体の1つ1つが細胞で出来てると聞きましたが・・・知りませんか」
「医者は何て言ってるのだ」
「まったくもって理解不能だと・・・」
「それでも医者か!」
そんなヨーロッパ連合艦隊が海を支配。
宣戦布告をして来た。
しかし、海岸に設置した大砲が火を吹いた。
当たる距離ではないと判断したのに、次々に船が沈められる。
逃げようとした時には、高速で近づく高速艇によって
呆気ない幕切れだった。
加賀の国にタイムスリップ @katuniro
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