第70話イラン



アフガニスタンからイランへ入った。


なんて貧しい国だ。

それでも頑張って人は生きていた。

それゆえにイスラム教にすがる人々。


え!俺の弟子が布教をしてるぞ。


「我らは神の使い三言教、何か困ったことがあれば申すがよい・・・」


アレレレレ・・・

老人がのそのそと出てきて「わたし達は暮らしに困ってる。本当に神の使いなら暮らしを楽にしてくれ・・・どうか頼む・・・」


「三言さま・・・どうか迷える者に光を与えたまえ」


もう勝手な事を言って・・・


イランって石油産油国だよね・・・今は産出されてないけど・・・


越後でつちかった石油の採掘から精製までの計画を練った。

そして歩き回った結果、発掘場所を選んだ。


「ここには大量に石油があるぞ。ここがいいな」


ただに等しい土地だったので金で広大な土地を買ったぜ。


「何をなさるのですか・・・こんな不毛な土地を買って・・・」


弟子もあきれ返っている。


「ここに金のなるものが埋まっているんだよ。俺を信じて見てるが良い」


何時までもここに居る訳にいかないので、なんでもかんでも魔法でやるの止める。

パイプを回転させながら発掘開始だ。


3日目の夜に油田に到達。

黒い水が噴出した。


「なんだ!この黒い水は・・・」


はいはい邪魔なので退いてね。

用意したタンクに石油を吸い上げて貯める。


貯めた石油を精製工場で精製。


出来立てのガソリンを使うぞ。

ガソリンをトクトクと燃料タンクに注ぐ。

大型給水ポンプに使ってポンプを回して海水をくみ上げる。

錬金術で作った真水プラントが海水を真水かえてゆく。


「水だ・・・塩からくないぞ」


「まさに神のなせる業だ!」


「これで水が飲み放題だぞ。皆に知らせよう」


その日は、水をたらふく飲み続ける人々。




そして大地に手をつき、砂を土に変化させて広大な畑に・・・


「このさつま芋は、焼くと甘いぞ!なんて美味しい芋なんだ」


出来立ての麦を磨り潰して小麦粉にして、麹菌を入れて焼き上げる。

ふわふわパンの出来上がりだ。


「なんてやわらかいパンなんだ」


「毎日食べてもあきが来ないぞ」



インドからワタを仕入れて自動織り機を作成。


最初はてこずったが日は増す度に、腕を上げて出来るようになったぞ。

そして品質も上がったよ。

きめ細かな布が出来上がったぞ。


火力発電も建てて電気の供給も開始。

夜も明かりが灯り賑わう町並み。



蒸気機関の開発による動力源で起きた産業革命が、石油による産業革命の開花。


生活は豊かになって皆は喜んだ。





「え!なんで」


「国王がこの土地を欲しいと言っている。素直に土地を渡せ。さもないと酷い目にあうぞ!」


100人の兵が曲がった剣を掲げて威嚇いかく


町の皆の怒りをかってしまったぞ。


「役にたたない兵は帰れ!帰れ!」


「なんだと生意気な」


え!曲がった剣で斬りつけたぞ。

もう収まりのつかない町の人たちは、鉄パイプや武器を持って反撃にでた。


数でまさる町の人たちは、何でもかんでも物を投げた。


100人の兵はボコボコだ。


それでも怒りが収まらない人々がコールした。


「国王を倒せ!役にたたぬ国王なんか要らないぞ!」


この町に恩恵を受けていた町までも立上がった。



その怒りは各地に波及。


なんて数だ。兵隊と住民が激突。

当初、互角だった戦いが、兵隊の後方から参加してくる住民で陣形が崩れる。


「後ろから攻めるのは卑怯ひきょうだぞ」


「戦いのプロが、今更そんな寝言を言うな!」


逃げ場を失った兵は、次々に倒される。

崩壊した陣形を立て直すことも出来ないまま敗れる。


「俺らは勝ったぞーー!」


「このまま王宮へ行くぞーー!!」



どんどん大きくなって王宮を取囲んで、兵も反対に住民側に寝返った。

もともと同じ住民だ。負けと判断して寝返るのが早いよ。


「国王に向かってないをする。よさないか」


「この国王は必要か!」


「国王は必要ない。私利私欲の国王なんてまっぴらだ」


俺が止めに入ろうとしたが間に合わず国王が斬首に・・・


ああ、これってフランス革命のデジャブか・・・

やっぱり・・・王妃の頭を掲げて見せる処刑者。


人々が喜び踊りだす。



そしてイスラム教から三言教への信徒が続出。


戦いで怪我した人びとを目の前で治したからねーー。


そして、あれよあれよとサウジアラビア、イラク、アラブへと産業革命が普及。

イスラムから三言へと流れたよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る